インデックス投資家が不動産投資をやらない理由:リターンを知ると見えてくるもの
「不動産投資、やらないんですか?」
たまに聞かれます。答えは「最初から興味なし」です。
でもただの食わず嫌いではありません。インデックス投資のリターンを知っているからという理由があります。
比較の基準:オルカンの長期リターン約7.8%
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の長期平均年率リターンは**約7.8%**です(MSCI ACWI 2010〜2026年のCAGR)。
この数字を頭に入れておくと、不動産の話を聞いたときに比較の基準になります。
ただし正直に言うと、この比較には限界もあります。オルカンは短期的に30〜50%近く下落することがあります。リーマンショックやコロナショックがその例です。不動産のように毎月安定した家賃収入が入るわけでもない。
あくまで「長期のリターン感覚」を持つための参考です。
表面利回り10%の実態
不動産投資で「表面利回り10%」という話があったとします。
ただしこれは額面の数字です。管理費・修繕費・空室損・ローン利子などを引いた実質利回りは、一般的に表面より1.5〜3%低くなります。表面10%なら実質7〜8%程度が現実的なラインです。
オルカンの長期リターンが約7.8%なので、差はほぼゼロかマイナスになることもある。
この差を取りに行くために必要なのが、借金・管理の手間・流動性の低さ・専門知識です。サラリーマンで時間がない自分には、この条件をクリアできる覚悟がありません。
不動産投資の最大の問題:再現性が低い
不動産投資で一番気になるのが、再現性の低さです。
株式インデックス投資は誰でも同じ方法で同じリターンを狙えます。証券口座を開いて、オルカンを積み立てる。それだけです。
でも不動産投資はそうではありません。成功するかどうかは、物件の立地・購入タイミング・価格交渉・管理会社の質・入居者との相性・売却のタイミング——こういった要素が絡み合います。
誰かの成功例を聞いても、まったく同じ条件で再現することはほぼ不可能です。成功した本人でさえ、次の物件で同じ結果が出るとは限りません。
インデックス投資は戦略が完全に再現できる。これは大きなアドバンテージだと思っています。
不動産は当たればでかいんですけどね。
知人のワンルーム投資の話
知人から不動産投資の話を聞きました。
ワンルームマンションへの投資をしていたそうで、最近になってやっと「トントンで売却できた」と言っていました。
これだけインフレが進んで東京の地価が上昇しているこの時期に、利益がほぼゼロというのは正直驚きました。地方のワンルームであれば、トントンどころかマイナスになっているケースもあるのではないかと思います。
利回りの数字だけ見ても、実際に手元に残るリターンは想像以上に小さくなる。これが現実だと改めて感じました。
相場感を知ることが最大の防衛策
インデックス投資を続けていると、「資産運用の相場感」が身につきます。
年7〜8%が株式市場の長期平均。これを知っているだけで、怪しい高利回り商品に飛びつくリスクが大幅に下がります。
「年利15%保証」「毎月2%の配当」——こういった話が出たとき、「オルカンが年7.8%なのに、なぜこの商品は15%も出せるのか」という疑問が自然に湧いてきます。不動産に限らず、FX・仮想通貨・未公開株——何であれ同じ目線で見られるようになります。
インデックス投資は資産を増やすだけでなく、怪しい投資から自分を守る知識も与えてくれます。
当たればでかい不動産投資ですが、そんな美味しい話が自分のところにまわってくるかどうか。再現性の低さを考えると、自分はパスでいいと思っています。
投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品・不動産投資を推奨・否定するものではありません。