特定口座からNISAへの移し替え:税金を払ってでも移すべき理由

特定口座の投資信託、新NISAに移し替えていますか?

「売ったら税金がかかるから損じゃないか」と思って動けない人もいると思います。自分も最初はそう考えていました。でも、新NISAの非課税・恒久化の威力を知ると、判断が変わります。


移し替えとは「売って買い直す」だけ

まず仕組みを整理します。

特定口座の資産を直接NISAに移す方法はありません。できることは一つ。

  1. 特定口座で売却
  2. 新NISAで買い直す

これだけです。シンプルですが、売却時に税金が発生します。含み益がある場合は特に。


自分の移し替えパターン

自分はここ数年、年末〜年始にかけてこの作業をしています。

2024年(旧NISA → 新NISA)

旧NISAで運用していた商品を売却して、新NISAの成長投資枠240万円に充てました。旧NISAは非課税なので、売却しても税金はゼロ。実質「非課税から非課税への転換」です。感情的にも迷いはありませんでした。

2025年末(特定口座 → 新NISA)

2026年分の成長投資枠180万円を確保するために、特定口座で保有していたSMT海外株式インデックス(投資信託)を売却しました。買い直したのはeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)です。

こちらは特定口座なので、含み益に対して約20%の税金が発生しました。


税金が発生しても移し替える理由

「税金を払ってでも移す価値があるのか」という疑問はもっともです。

自分がそう判断した理由は一つ。新NISAの枠を埋める資金が他になかったからです。

毎年360万円を新たな収入から捻出できれば、特定口座を売る必要はありません。でも現実的にそれが難しい場合、特定口座を崩して枠を埋めるという選択肢が出てきます。

税金を払うことへの痛みはあります。でも新NISAの非課税・恒久化は、その痛みを上回ると判断しました。


「税金は後回しの方がいい」を実感した

投資の世界でよく言われることがあります。

「払う税金は、できる限り後回しにした方がいい」

これを今回、身をもって実感しました。

たとえばこういうケースで考えてみます。

  • 元本100万円を投資
  • 現在の評価額:500万円(5倍に成長)
  • そのうち400万円分を売却

このとき、税金はいくらかかるか。

売却した400万円の取得費は、全体の比率(100万÷500万=20%)で計算します。

項目金額
売却額400万円
取得費(400万 × 20%)80万円
利益320万円
税金(約20.315%)約65万円
手元に残る金額約335万円

400万円売って、手元に残るのは約335万円。65万円が税金として消えます。

ここで考えてほしいのが、この65万円の重さです。

この335万円を新NISAに入れて、年率6.5%で10年間運用したとします。

項目金額
NISA投入額335万円
10年後(年率6.5%)約629万円
利益約294万円
税金ゼロ(非課税)

新NISAなので294万円の利益に税金はかかりません。629万円がそのまま手元に残ります。

一方、税金として消えた65万円。もしこれが運用に回せていたら、同じ年率6.5%・10年間で約122万円になっていました。

項目金額
税金で消えた65万円65万円
10年後に育っていたとしたら約122万円

NISAの運用結果(629万)と、失った65万円の将来価値(122万)の差額は約507万円。

税金を払った痛みはありますが、NISA内で10年間非課税で複利が積み上がると、その差は圧倒的です。「おいおい、ちょっと辛いよ」と思った65万円の税負担は、長期で見れば十分取り返せると考えています。

だからこそ、NISA内に資産を移しておくことで、複利の果実をまるごと受け取れるようになります。 税金が後回しになるどころか、恒久的にゼロになる。新NISAの非課税・恒久化はそういう制度です。

計算あってますよね、多分大丈夫、多少数字がおかしかっても理屈は通っているから、間違いなく新NISAで買い直した方が得になるはずです。

そんな適当でも意外と長期投資には影響ないので、これも良いところ。


移し替えのタイミング:12月後半がベスト

年初にNISAの買付を済ませたい場合、売却は12月後半がおすすめです。

新NISAの成長投資枠は、証券会社によって12月後半から翌年分の買付が可能になります(楽天証券の場合も同様)。売却と買付をほぼ同タイミングで動かせるため、資金が市場から離れる期間を最小限にできます。

年末ギリギリにバタバタするより、12月中旬〜後半に余裕を持って動く方が安心です。

その数日に暴騰がきたら、ごめん。私はそこは割り切ってやってます。


移し替えを検討すべき人

  • 新NISAの年間投資枠(最大360万円)を毎年の収入だけでは埋められない
  • 特定口座に含み益(含み損も)のある資産がある
  • 新NISA枠がまだ余っている

この3つが当てはまるなら、移し替えを検討する価値があります。

**新NISAの非課税枠は生涯1,800万円、しかも恒久化。**税金を払ってでも枠を埋めておくと、その後の複利は全額非課税で積み上がります。長期で見れば、今の税負担を大きく取り返せます。

NISA枠が余っているなら、さっさと埋めた方がいい。長期の複利は確実に効いてきます。それは税金に対しても同じです。


まとめ

項目内容
移し替えの方法特定口座で売却 → NISAで買い直す
税金含み益に約20%かかる
それでも移す理由NISAの非課税・恒久化が長期で上回る
タイミング12月後半(翌年分の買付開始に合わせて)
向いている人NISA枠が余っていて、特定口座に含み益がある人

税金を払う痛みはあります。でも新NISAの中で育つ資産には、もう税金はかかりません。その先の複利を考えると、動く価値は十分あると思っています。


投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品・税務アドバイスを提供するものではありません。詳細は税理士等の専門家にご相談ください。

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