VYMで確定申告したら年4万円戻ってきた話:外国税額控除のリアル
毎年4万円が戻ってきます。
VYMを持っていて確定申告をしていない人は、やったほうがいいです。外国税額控除の話をします。
外国税額控除とは
VYMはアメリカのETFなので、分配金が支払われるとき、まず米国で税金が引かれます。そのうえで、日本国内でも約20%の税金がかかります。
同じ分配金に対して、2回課税される。これが二重課税です。
2025年のVYM分配金の実績がこちらです。
分配金は5,347.26ドル。税引後の受取額は3,834.94ドル。差額は約1,512ドル、率にして約28%が税金で消えています。米国で10%、日本で約20%、合計でこれだけ引かれる計算です。
「めちゃくちゃ引かれとるがな」というのが、正直な感想でした。
外国税額控除とは、この二重課税分を「ちょっとだけ免除してやろう」という制度です。確定申告で申請することで、払いすぎた税金の一部が戻ってきます。
全部は返ってきません
最初は「1,512ドル分の二重課税が丸ごと戻ってくる」と思っていました。
実際にやってみると、そうではありませんでした。「えっ、税金もっと払ってるんですが」という感覚で調べてみると、どうも色々と計算式があって、全部は返ってこないらしい。クソが、と思いつつ、仕組みだから仕方ないと諦めました。
なぜ全額戻らないのか
ここは知っておくと納得しやすいので、簡単に触れておきます。
外国税額控除には控除限度額という上限があります。ざっくり言うと、「その年に日本で納めた所得税のうち、外国所得が占める割合まで」しか差し引けません。
つまり、分配金が多くても、日本での所得税額が少なければ、戻る額も頭打ちになるわけです。サラリーマンの場合、給与所得に対する所得税がベースになるので、ここで上限が決まります。
戻ってくるのは二重課税分の一部で、保有額や所得によって変わります。自分の場合は年4万円ほど。1,512ドル(約22万円)引かれて、戻ってくるのが4万円。割合で見ると少ない気もしますが、何もしなければゼロです。やらない理由はありません。
昔読んだ『金持ち父さん 貧乏父さん』に「税金は資産運用における最大の敵」というような話があった記憶があります(正確かどうかは忘れましたが)。確定申告の結果を見るたびに「確かに、間違いない」と思います。取り戻せる税金は、取り戻すに越したことはありません。
サラリーマンこそ確定申告を
ついでに言うと、確定申告はサラリーマンこそもっと活用すべきだと思っています。
職場の同僚が年末調整で保険料控除をうまく申請できていなかったとき、「だったら自分で確定申告やったらいいやん、スマホでできるし結構簡単やで」と話したら、実際にやってみたらしく、後でちょっと感謝されました。
会社が年末調整をやってくれるので、確定申告と無縁なサラリーマンは多いです。でも医療費控除も外国税額控除も、自分で申告しないと戻ってきません。知っているかどうかだけの話です。
そもそも新NISAや投資で確定申告は必要かという疑問がある人は、こちらも読んでみてください。
なぜ長年やっていなかったか
制度の存在は知っていました。VYMを買い始めた2019年頃から、二重課税があることも知っていました。
でも面倒くさくてやっていませんでした。最初の頃は口数も少なくて分配金も微々たるものだったし、「まあいいか」という感覚でした。サラリーマンは会社が年末調整をやってくれるので、確定申告自体に縁がない。わざわざ自分でやる、というハードルが高かったんです。
2022年分の実績から初めて申告したのは、VYMの保有が増えてきたことと、その年に歯の治療でそこそこまとまった医療費を使ったことが重なったから。「医療費控除のついでにやってしまおう」というのが、動いたきっかけでした。
やり方はYouTubeで学びました
確定申告の手順は、YouTubeの解説動画を見てやりました。
直近の2026年(令和8年)分では「ナスビのマネー講座」の動画を参考にしました。米国株・日本株の配当金に絞って手順を説明してくれていて、非常にわかりやすかったです。お世話になりました。
令和8年 米国株配当金・日本株配当金の確定申告のやり方|ナスビのマネー講座
手順を丁寧に説明してくれている動画を見ながら、e-Taxで申請する。自分で一から調べるより、圧倒的に早いです。
初回は時間がかかりました。マイナポータルとe-Taxの連携がまだ不十分だった時期で、証明書類を手動で入力する部分も多かった。「面倒くさい」と思いながら進めた記憶があります。
準備しておくもの
やる前に手元に揃えておくと、途中で止まらずに済みます。
- 年間取引報告書(証券会社のサイトからダウンロード。「特定口座年間取引報告書」という名前です)
- 源泉徴収票(勤務先から。マイナポータル連携済みなら自動で入ることも)
- マイナンバーカードとスマホ(e-Taxのログインに使います)
- 医療費控除もやるなら、医療費の明細(マイナポータルで取得可能)
証券会社の年間取引報告書には、外国所得税額(米国で引かれた分)が記載されています。これが外国税額控除の申請に必要な数字です。
年々、確実に簡単になっています
2022年分の申告から毎年続けていますが、年を追うごとに楽になっています。
特に実感しているのは、マイナポータルの進化です。
医療費の明細がマイナポータルで確認できるようになりました。証券口座との連携も進んで、取引情報が自動で取り込めるようになってきています。証券会社のアプリやサイト側でも「確定申告が必要かどうか」を教えてくれる機能が整ってきました。書類の見やすさも、以前とは別物です。
最初の申告時は手動入力の部分が多くて時間がかかりましたが、今年(2026年)の申告はかなりスムーズでした。「すごいな」と素直に思いました。
サラリーマンでも、確定申告の壁はかなり低くなっていると思います。「難しそう」という先入観があるなら、申告して返ってくる税金がある人は、一度やってみることをすすめたいです。
いつやるのか
確定申告の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです。
ただし、還付を受けるための申告(還付申告)は、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。つまり「今年は間に合わなかった」という人でも、過去5年分はさかのぼって申告できるということです。
VYMを何年も持っていて一度も申告していないなら、過去分もまとめて取り戻せる可能性があります。
VYM以外でも同じです
この話はVYMに限りません。米国のETFや米国株の配当であれば、同じように二重課税されているので、外国税額控除の対象になります。
SCHD、SPYD、VTI、VOO。このあたりを持っている人も同じです。米国株の個別株の配当も同様です。
逆に、新NISA口座で買った分は対象外です。NISAはそもそも日本の税金がかからないので、控除する日本の税金が存在しません。米国で引かれた10%は、NISAでは取り戻せない。ここは覚えておくといいです。
医療費控除もついでに
確定申告は、複数の控除をまとめて申請できます。
外国税額控除と医療費控除は同時に申請できるので、医療費が年10万円を超えている人は一緒にやると効率がいいです。こちらについては、別の記事で詳しく書く予定です。
実績
これまでの還付金額をまとめると、以下のとおりです。
| 申告年 | 対象年分 | 還付金額 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 2022年分 | 約32,000円 | 医療費控除込み・初回 |
| 2024年 | 2023年分 | 約39,000円 | 外国税額控除のみ |
| 2025年 | 2024年分 | 約101,000円 | 損益通算あり(※) |
| 2026年 | 2025年分 | 約43,000円 | 外国税額控除のみ |
※2025年申告分が突出して多いのは、日本国債の投資信託を売却して約30万円の損失が出た年で、その損失と分配金収入を損益通算したため還付が大きくなっています。通常の年は3〜4万円が目安です。
戻ってきた分は貯金に回しています。特別なことに使うわけではないですが、何もしなければ消えていたお金です。お小遣いみたいなものだと思っています。
4年間の累計で約21万円。やり続けることの、積み重ねです。
戻ってくるお金は、放っておいたら戻ってこないよ。
知ってるかどうかだけの差なんだね。
まとめ
- VYMの分配金は、米国と日本で二重課税になっている
- 外国税額控除を申請すると、二重課税分の一部が戻ってくる
- 全額ではないが、年4万円ほど(保有額と所得による)
- 控除には上限があるので、全部は戻らない
- 手順はYouTube解説動画で十分わかる
- マイナポータルの整備で、年々簡単になっている
- 還付申告は過去5年分さかのぼれる
- SCHDやVTIなど、他の米国ETFでも同じ
- NISA口座分は対象外
VYMを持っていて確定申告をまだやっていない人は、今年から始めてみてください。
投資・税務は自己責任でお願いします。詳細は税理士や国税庁のサイトでご確認ください。