インデックス投資初心者がやらなくていいこと:20年投資家の結論
スマホに証券アプリを入れていますか。
自分は20年間、一度も入れたことがありません。理由はシンプルで、入れたら見てしまうからです。
インデックス投資でやることは、実はほとんどありません。毎月積み立てる。それだけです。むしろ大事なのは、やらないことを決めることでした。
20年かけてたどり着いた「やらなくていいこと」を書きます。
スマホに証券アプリを入れていない
自分はスマホに証券会社のアプリを入れていません。
ずっとそうで、これからも入れるつもりはありません。
見てしまうと何が起きるか。値動きが気になる。上がったら嬉しくなる。下がったら不安になる。そして「何かしなければ」という気持ちが芽生えてくる。
インデックス投資において「何かしなければ」は、ほぼ全部余計な行動です。
パソコンで管理しているので不便さは感じていません。確認したいときはパソコンを開く。それだけです。この「ちょっとした不便さ」が、相場との適切な距離を保ってくれています。
ただ最近はパソコンを持たずスマホだけで完結している人も多い。そういう人はアプリなしでは口座の開設も積立設定もできません。
そういう方への提案ですが、積立の初期設定だけ済ませたらアンインストールするのが実は最強かもしれません。新NISAの積立は一度設定すれば自動で動き続けます。アプリがなくても積立は止まりません。やる人はほぼいないと思いますが、理屈としては正しい。それくらい「見なくていい」ということです。
近づいてもいい場面はある
「距離を置く」と書きましたが、例外もあります。
2020年のコロナショックです。
あのときは自分から相場を見に行きました。毎日値動きをノートに記録していました。でもこれは、慌てていたからではありません。
実は前年(2019年)に、自分用の投資方針書を作っていました。そこにはこう書いてあります。
他の人が慎重な時は貪欲に仕掛けろ、そして他の人が貪欲なときは慎重にいけ(人の行く裏に道あり、花の山)
コロナは、まさにその「他の人が慎重な時」でした。
日本債券をすべて売却して、VYMを61万円買い増し。あわせてSPXLを26万円、下がっていた1577を25万円。合計100万円以上を買い向かいました。さらにその後、年間の投資額を200万円以上に増やしています。
これができたのは、生活防衛資金と投資予備資金が十分にあったからです。慌てて動いたのではなく、あらかじめ準備してあったから動けた。
つまり「相場を見る」こと自体が悪いのではありません。準備なしに見るから、振り回されるんです。
情報は向こうから来ることもある
スマホにアプリを入れないのは、自分から相場を見に行かないための工夫です。
でもコロナが教えてくれたのは、情報は向こうからも来るということです。
TVをつければ専門家が解説している。SNSを開けば誰かが「今すぐ売れ」「今が買い場」と叫んでいる。暴落局面ほどこのノイズが大きくなります。
対策はシンプルで、そういう時期はTVの経済ニュースを見ない・投資関連のSNSアカウントをミュートにする。完全に遮断するのは難しいですが、意識的に距離を取ることはできますよね。
相場が騒がしいときほど、距離を置く。
ただ、完全に無視するのも難しい。
「額」ではなく「率」で見る
ここで一つ、投資を続けるうえで大事にしていることを書きます。
相場を額(金額)で見ないようにしています。
資産が額で表示されると、暴落時に精神的にきます。「今日で○○万円減った」という数字は感情を直撃します。逆に暴騰時は「今すぐ売りたい」という気持ちが出てくる。あるいは売らなかった後に「あの時売っておけばよかった」と後悔する。
これは人間として自然な反応ですが、長期投資において全部余計な感情です。
だから率(パーセント)で見るようにしています。 「今年はマイナス15パーセント」「20年でプラス200パーセント」という見方なら、数字の絶対値に引きずられにくくなります。
証券アプリをスマホに入れないのも、実はここにつながっています。アプリを開けば資産総額が画面いっぱいに表示される。意図せず額で見てしまう。だから入れない。
ポイント運用を相場の体温計にする
とはいえ相場の空気感は多少掴んでおきたい。そこで自分がやっているのがポイント運用です。
楽天ポイントクラブというアプリがあり、楽天ポイントで投資信託に連動した運用ができます。PayPayにも同様のポイント運用機能があります。自分は楽天ポイントを100ポイントだけ運用しています。
100ポイントなので、相場がマイナス20パーセントになっても失うのは20ポイントです。精神的ダメージがほぼゼロ。でもパーセントは動くので、相場がどういう状態にあるかは感覚でわかる。体温計みたいなものです。
額ではなく率で見る。大金が動いていないから冷静でいられる。関税ショックのときもこの方法で相場の温度を確認していました。
これが自分なりの「遠からず、近からずの距離感」です。完全に無視はしない。でも深入りもしない。
それでも最強はほったらかし
ただ正直に言うと、最強はそんなことを全く気にせず完全にほったらかしにすることだと思っています。
ポイント運用も体温計も、結局は相場を意識している状態です。本当に長期投資に徹するなら、相場など見ない・気にしない・忘れる。それが理想です。
自分はそこまで割り切れていないので、ポイント運用という小さな窓口を残しています。でも目指す方向は「完全にほったらかし」です。
次に伸びる国を当てにいかない
これは、身をもって学んだことです。
投資初期、「これからはロシアやな」と勝手に思い込んで、SGロシアというファンドを買いました。当時はBRICsブームで、新興国が世界を引っ張るという空気が世の中に充満していたんです。
結果はマイナス74.99パーセント。同じ時期に買ったSGアラブも、マイナス70.62パーセントでした。
しかもロシアはその後、2022年に制裁で実質的に投資できない国になりました。もし握り続けていたら、と思うとゾッとします。
「次はこの国が来る」という話は、いつの時代も出てきます。でも当たるかどうかは、ただの運でした。詳しい記録は投資初期のポートフォリオを晒すに書いています。
個別株で「勝っても」やらなくていい
もう一つ。個別株にも手を出しました。関西に馴染みがあったから、という理由で選んだ銘柄です。
結果は約2倍で売却。数字だけ見れば成功です。
でも今振り返ると、これもやらなくてよかったことだと思っています。
理由は単純で、勝った理由が運だからです。関西に住んでいるから業績がわかる、なんてことはありません。たまたま上がっただけ。再現性がゼロなんです。
勝ったから正解、ではない。再現できない勝ち方は、長期的には害になる——これが20年やった結論です。
積立日を気にしない
初心者の方によく聞かれるのが「積立日はいつがいいですか」です。
答えはいつでもいいです。
20年やってきましたが、積立日で結果が変わったと感じたことは一度もありません。月初がいいとか、給料日直後がいいとか、そういう議論はありますが、20年という時間で見れば誤差です。
それより大事なのは、一度設定したら、あとは見なくていい状態にすること。自動で回る仕組みにしてしまえば、続きます。
やらなくていいことをまとめると
他にも「やらなくていいな」と思っていることがあります。
証券口座をいくつも開かない
ポイント還元率が高いからと口座を増やすと、管理するものが増えます。自分はマネックス証券を使っていましたが、使わなくなって解約しました。口座は使うものだけ持つ、それで十分です。
ファンドをいくつも持たない
分散のつもりで複数のファンドを買っても、中身が重複していることが多い。自分は一時期いくつかの投資信託を持っていましたが、オルカン一本に整理しました。シンプルな方が管理も判断も楽です。
暴落時に何かしようとしない
暴落が来ると「何かしなければ」と思いがちです。でも積立投資において正解はほぼ「何もしない」か「淡々と買い続ける」です。余剰資金があれば買い増しもアリですが、狼狽売りだけは絶対にやらない。むしろ利益が出ているときほど売りたくなる失敗に注意が必要です。
「やらないこと」を決めたうえで、最低限やることだけを淡々とこなす。自分が一年でやっていることはインデックス投資家の年間ルーティンにまとめています。
インデックス投資は「やること」より「やらないこと」
インデックス投資の本質は、市場全体を低コストで長期保有することです。
やることは決まっています。毎月一定額を積み立てる。それだけです。
あとは余計なことをしないことが大事です。見ない。触らない。騒がない。相場と距離を置いて、淡々と続ける。
派手な話ではないですが、20年続けてきて「これが良かった」と思っています。
投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品・制度を推奨するものではありません。