企業型DCのスイッチング、やってみた。2,050万円を信託報酬が半分以下のファンドへ移した手順
確定拠出年金企業型DC(企業型確定拠出年金)の残高、約2,050万円を、別のファンドに乗り換えました。
乗り換え先は、いまと同じMSCI-KOKUSAIに連動するファンドです。指数は同じで、信託報酬は半分以下になります。
手続きは2つでした。毎月の掛金で買う商品の変更と、いまある残高の乗り換えです。残高のほうは、画面を開いてから受付完了まで3分ほど。
ただ、売ってから買うまでに12日かかります。その間、2,050万円は株を持っていない状態になります。
焦らない焦らない。先にチェックしてからや。
この記事の目次
- 同じ指数で、半分以下のファンドを見落としていた
- オルカンはなかった。そして、目移りしそうなもの
- DCは気軽に変えられる。だから、余計なことはしない
- チェック①:隠れコストを含めたトータルコスト
- チェック②:純資産
- 参考までに、オルカンと比べてみた
- 手続き①:毎月の掛金で買う商品を変える
- 手続き②:いまある残高を乗り換える
- 売ってから買うまで、12日かかる
- 確定拠出年金の記事
1. 同じ指数で、半分以下のファンドを見落としていた
きっかけは、企業型DCは15年でいくらになった?を書いていたときです。
いまのファンドが、用意された中でいちばん安いのか。念のため確認したら、安くありませんでした。
同じMSCI-KOKUSAIに連動するファンドが、知らない間に商品一覧に追加されていました。
| 信託報酬 | |
|---|---|
| 三菱UFJ DC海外株式インデックスファンド(いま) | 0.231% |
| 野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(乗り換え先) | 0.09889% |
15年前に選んで、そのまま放っておいた結果です。完全に見落としていました。
残高約2,050万円なら、信託報酬の差は年に約2.7万円。これは乗り換えます。
でも、焦らない焦らない。乗り換える前に、チェックするべき項目を確認してからです。
2. オルカンはなかった。そして、目移りしそうなもの
念のため、商品一覧にオルカンがあるかも探しました。
ありませんでした。残念。
しょうがないので、いまと同じMSCI-KOKUSAIに連動するファンドでいきます。
日本株の勢いがすごい
MSCI-KOKUSAIは、日本を除く先進国の株式です。そして直近は、日本株の勢いがすごい。
| 2025年末 | 2026年9月15日 | 年初来 | |
|---|---|---|---|
| 日経平均 | 50,339円 | 63,484円 | 約+26% |
| TOPIX | 3,408.97 | 4,037.16 | 約+18% |
※ 終値。出典:日本経済新聞、Bloomberg
商品一覧を見ていると、こういうのも目に入ります。
| 野村国内株式アクティブオープン | 野村 MSCI-KOKUSAI(乗り換え先) | |
|---|---|---|
| 種類 | アクティブ | インデックス |
| 6ヶ月 | +7.04% | +13.26% |
| 1年 | +58.12% | +30.47% |
| 3年 | +146.92% | +90.38% |
| 信託報酬 | 0.9515% | 0.09889% |
※ 2026年8月基準。DCの商品一覧に出ている騰落率です。3年は3年間の合計です
1年で+58%。3年で2.5倍。ついつい目移りしそうになります。
でも、直近の6ヶ月だけ見ると、+7.04%と+13.26%で逆に負けています。そして信託報酬は約10倍です。
成績は過去の話ですが、信託報酬は毎年必ずかかります。
リターンにつられて、ついつい目移りしないように。
3. DCは気軽に変えられる。だから、余計なことはしない
DCのいちばんの特徴は、含み益があっても、税金がかからずに別の商品へ変えられることです。
変えられる先は、投資信託だけではありません。定期預金などの元本確保型にも移せます。
いまの残高は約2,050万円で、そのうち含み益は約1,600万円です。証券会社の特定口座で同じことをすれば、売った時点で約20%、ざっくり320万円の税金がかかります。DCの中なら、これがゼロです。
やろうと思えば、何回でも、税金なしで商品を変えられます。手続きもネットで終わります。全くおすすめはしませんけど。
NISAは、売ったときの利益に税金はかかりませんが、売った分の枠が戻るのは翌年で、1年に買い直せるのは最大360万円まで。2,000万円をまるごと別のファンドに移す、ということは、今のところNISAではできません。
ちなみに、私は今回が初めてのDCのスイッチングでした。15年やって、初めてです。
ただ、気軽に変えられるということは、余計なこともしやすいということです。日本株が強いから買ってみよう、アクティブが勝っているから少し入れてみよう。やろうと思えば、今日できてしまいます。
だからこそ寄り道はしません。指数はそのまま、同じMSCI-KOKUSAIの安いファンドに、まっすぐ変えます。
4. チェック①:隠れコストを含めたトータルコスト
投資信託には、信託報酬のほかにも、売買の手数料や保管の費用がかかります。運用報告書に「1万口あたりの費用明細」として載っている分です。
信託報酬が安くても、ここが大きければ意味がありません。なので、合計で比べました。
| 三菱UFJ(いま) | 野村 MSCI-KOKUSAI(乗り換え先) | |
|---|---|---|
| 信託報酬 | 0.231% | 0.09889% |
| 1万口あたりの費用 | 合計164円(うち信託報酬154円) | 合計88円(うち信託報酬78円) |
| 信託報酬以外の費用 | 10円 | 10円 |
| トータルコスト(推定) | 約0.25% | 約0.11〜0.13% |
| 信託財産留保額 | なし | なし |
※ 費用明細はみんかぶ掲載の直近決算。トータルコストは、信託報酬と費用明細の比率から推定しています。野村の総経費率は0.12%(2025年4月〜2026年3月、交付目論見書)です
隠れコストは、どちらも1万口あたり10円で同じでした。差は、ほぼ信託報酬の差そのままです。
信託財産留保額(売るときにかかる費用)も、どちらもありません。売って買い直しても、余計な費用は取られません。
5. チェック②:純資産
もうひとつ見たのが、純資産です。
投資信託の資産額は、あればあるほど安心感が違います。小さいファンドは、途中で運用が終わってしまう(繰上償還)こともあります。
資産額が少なかったら、乗り換えはストップするつもりでした。
| 純資産(2026年8月末) | |
|---|---|
| 三菱UFJ(いま) | 3,281億円 |
| 野村 MSCI-KOKUSAI(乗り換え先) | 1兆3,875億円 |
よしよし、資産額もめちゃあるやんけ。いまのファンドの4倍以上です。
これで間違いない。
※ 名前が似た「野村DC外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI」は別のファンドです。信託報酬0.09889%なのは「確定拠出年金向け」のほうです
6. 参考までに、オルカンと比べてみた
ここで、一応参考程度に、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)とも比べてみました。
| 野村 MSCI-KOKUSAI(乗り換え先) | オルカン | |
|---|---|---|
| 投資先 | 日本を除く先進国 | 日本・新興国を含む全世界 |
| 信託報酬 | 0.09889% | 0.05775% |
| 1万口あたりの費用 | 合計88円(うち信託報酬78円) | 合計26円(うち信託報酬18円) |
| トータルコスト(推定) | 約0.11〜0.13% | 約0.08% |
| 純資産(2026年8月末) | 1兆3,875億円 | 13兆4,834億円 |
いやいや、オルカンは優れすぎやろ。
信託報酬はさらに約6割、純資産は乗り換え先のさらに約10倍です。DCの外でオルカンを持っている自分としては、改めて再確認しました。
7. 手続き①:毎月の掛金で買う商品を変える
ここから手続きです。まず、これから入る毎月の掛金で買う商品を変えました。画面の名前は「運用割合変更」です。
| 画面の項目 | 表示 |
|---|---|
| 適用掛金入金月 | 2026/09 |
| 適用開始日 | 2026/09/24 |
| 商品 | 野村外国株式インデックスDC |
| 運用割合 | 100% |
「新しい掛金の運用割合は適用開始日以降の拠出に適用されます」とあります。9月25日ごろの拠出から、乗り換え先のファンドで買われる予定です。
気になった、というより、へー、そういうもんなのか、と思ったところが2つありました。
- 商品分類が「国内投信」になっています。これは日本の運用会社が作った投資信託という意味で、日本株という意味ではありません
- 確認画面に、商品販売会社への個人情報の提供についての同意があります。商品を変えると、氏名や住所などが新しい商品の販売会社に提供される場合がある、という内容です
8. 手続き②:いまある残高を乗り換える
次に、いまある残高です。画面の名前は「運用商品預替」。一般にスイッチングと呼ばれる手続きです。
画面は6ステップでした。
- ご説明
- 売却商品選択
- 売却内容指定
- 購入商品選択
- 内容確認
- 受付完了
売るほう
| 画面の項目 | 表示 |
|---|---|
| 商品 | 三菱UFJ DC海外株式インデックスファンド |
| 保有数量 | 2,631,777口 |
| 解約価額 | 77,902円(9月15日の基準価額) |
| 資産評価額 | 20,502,068円 |
| 売却割合 | 100% |
売る量は、「数量」か「割合」で指定します。金額では指定できませんでした。全部移すので、割合100%です。
買うほう
| 画面の項目 | 表示 |
|---|---|
| 商品 | 野村外国株式インデックスDC |
| 購入割合 | 100% |
| 概算購入額 | 20,502,068円 |
受付完了は、2026年9月16日でした。売る商品を選んでから、3分ほどです。
完了画面に出た赤字の注意
受付完了の画面に、赤字でこう出ていました。
今、お手続きが完了した「運用商品預替」では、これから掛金で購入する商品の運用割合は変更されません。
つまり、残高の乗り換えと、毎月の掛金の変更は、別々の手続きです。残高だけ乗り換えても、来月からの掛金は元のファンドを買い続けます。
先に手続き①を済ませていたので、ここは大丈夫でした。
9. 売ってから買うまで、12日かかる
内容確認の画面には、約定と受渡の予定日が出ます。
| 売却(三菱UFJ) | 購入(野村 MSCI-KOKUSAI) | |
|---|---|---|
| 約定予定日 | 9月17日(木) | 9月29日(火) |
| 受渡予定日 | 9月28日(月) | 9月30日(水) |
売ってから買うまで、12日あきます。
2026年9月は、19日から23日までシルバーウィークで、営業日が止まります。そのあと、売ったお金が9月28日に受け渡されて、翌営業日の29日に乗り換え先を買う順番です。
この12日間、約2,050万円は株を持っていない状態になります。
その間に外国株が上がれば、上がった分を取り逃します。下がれば、下がった分を避けられます。どちらになるかは、分かりません。
画面の20,502,068円も、9月15日の基準価額で計算した概算です。実際の金額は、約定の日に決まります。
10月1日に購入の結果が見られるので、この12日間で得したのか、損したのかを確認して、次の記事にします。あまり気にしてもしょうがないですけどねー。
10. 確定拠出年金の記事
余計なことはしない。でも、放っておきすぎると、安いファンドが追加されても気づきません。15年で初めて商品一覧を見直した、今回の乗り換えでした。
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