インデックス投資家がハマる罠。積立10年目で、300万の車を買いました

家計管理

積立を10年ほど続けたころの話です。

資産は順調に増えていました。それなのに、なんとなく「このままでいいのか」という気持ちが湧いてきて、積み上げてきたものが虚しく感じられる時期がありました。

結論から言うと、中古のハリアーを300万円で買って抜けました。

つみたていぬ

車で治るんかい。


なんとなく、湧いてきました

きっかけになる事件はありませんでした。

仕事を辞めたいわけでもなく、家庭に問題があったわけでもない。ただ、なんとなく「このままでいいのか」という気持ちが湧いてきて、消えなくなった。

いままで積み上げてきたものが、急に虚しく見えてくる感じです。

世間ではミッドライフクライシスと呼ぶそうです。40代から50代にかけて、それまで信じてやってきたことに意味を感じられなくなる時期のこと。1965年に名前がついた、けっこう古い概念でした。

対応も、だいたい決まっています。急にスポーツカーを買う。バイクを買う。髪を染める。

自分は1つ目でした。

そして自分の場合は、そこに投資が絡んでいたと思っています。


積立は、使わない訓練でもあります

インデックス投資は、やることが決まっています。

毎月決まった額を積み立てる。暴落が来ても売らない。余ったら買い増す。それを何年も続ける。

これって、10年以上ずっと「使わない訓練」をしているのと同じなんですね。

訓練の成果は出ます。お金は貯まります。

でも同時に、だんだんせこくなっていきます。

ややこしいのは、我慢した記憶がないことです。

あれを買うのをやめた、これを諦めた、という場面が思い出せません。大きく削ったつもりもない。

それなのに、外食は少なめ。旅行もバンバン行くわけではない。気づいたら、何かを決めるときの考え方そのものが「支出を減らす」側に寄っていました。

これは今もそうです。

ひとつひとつの判断は正しいんですね。安いほうを選ぶ。まだ使えるから買い替えない。この出費は必要か、と一度考える。全部まっとうです。

まっとうな判断を10年続けると、生活がみみっちくなります。普通の会社員だと、なおさらだと思います。

そうやってきたあたりで、ちょうど例の時期が来ます。

資産はあるのに、自分の持ちものがみみっちい。この状態が、自分の自信をじわじわ削っていました。


そのときの数字

具体的に書きます。

貯金約1,200万円
投資約1,400万円
乗っていた車ボロボロの中古の軽

軽自動車が悪いという話ではありません。何年乗ったかも覚えていないくらい、長く乗っていました。まだ走るのだから買い替える理由がない。そう思っていました。

合計2,600万円ある人間が、それに乗っている。


欲しい車が、特にありませんでした

いざ買おうとして気づいたことがあります。

自分が何を欲しいのか、分からなかったんですね。

これに乗りたい、という車がない。10年以上「必要か」だけで判断してきたので、「欲しいか」で選ぶ筋肉が落ちていました。

なので、世間に乗っかりました。

当時はSUVがいいという風潮でした。その中で評判のいいものを選ぶ。決め方としてはそれだけです。自分の好みで決めたわけではありません。

1ヶ月悩みました

即決ではありませんでした。1ヶ月ほど探して、比べて、迷いました。

予算は250万円くらいのつもりでした。結局300万円です。

「この300万を投資に回したら」という計算は、何度も頭をよぎりました。

インデックス投資をやっている人なら、たぶん全員やる計算だと思います。20年後にいくらになるか。それを自分で捨てるのか、と。

それでも買いました。貯金もあったし、えーい買ったれ、車を買うんじゃ、という気持ちでした。

面白いのは、買ったあとはその計算が気にならなくなったことです。

罪悪感もありませんでした。家計簿には「車購入 約300万」と書いてあるだけで、感想はひとことも残していません。

出したのは、投資とは別に積んでいるプール用の貯金からです。車のような大きな買い物は、最初からそこで持つようにしていました。口座の分け方は普通の会社員が1億になるまで、銀行口座はこの形でしたに書いています。


なんか、自己肯定感が上がりました

職場の反応がなんか良かった。

いい車買うやん

こう言われたんですね。しかも、車そのものを褒められたというより、「そういうのを買うんや」と驚かれた感じでした。

これが良かったかも。

いい車に乗っている自分。それが良いと思えたことで、自信がちょっとずつ戻ってきた。8割はこっちの話で、お金を使えたこと自体は残りの2割くらいだと思います。

生活は、何も変わりませんでした

当たり前なんですが、車を変えて生活が変わったわけではありません。

急に出かけるようになったわけでもない。行く場所も、使い方も、それまでと同じです。

変わったのは気分だけでした。

これが所有欲か、と思いましたね。持っているだけで満たされる。使い道が増えたわけでもないのに、自分の見え方が変わる。そんなものに300万円払ったのかと言われたら、そのとおりです。

ただ、そのときの自分には、それが要りました。

そもそも地方なので、車は必須ですけどね。

意外と、長く続いています

買った直後だけの高揚感だと思っていました。3ヶ月もすれば元に戻るだろう、と。

そうでもなかったんですね。

いいものをひとつ持っていると、「あー、これが買えるんよな」と思えます。資産の数字を見ても、その感覚にはなりませんでした。1,400万円という数字より、目の前の1台のほうが手応えがあります。

自分は買える側にいる。それを確かめるのに、いいものが1つあれば足りた。あくまで自分の場合ですが、ここがいちばん大事だったのかもしれません。


世間で評判のいいものは、やっぱりいいものでした

もうひとつ、副産物がありました。

自分が欲しいものと、世間で評判のいいものは、必ずしも一致しません。ハリアーを選んだときも、完全に自分の好みだけで決めたわけではありませんでした。

でも、買ってみたら意外と良かった。世間で評判がいいものには、ちゃんと理由がある。

ここから、買うときにリセールを意識するようになりました。売るときにいくらで売れるかを考えて選ぶ。この考え方を持つきっかけが、この車でした。

その話は、いつか別の記事に書きます。


嫁は今も納得していません

最後に落としておきます。

なんでそんな車買ったんや

当時も言われましたし、いまも言われます。9年経っても意見は変わっていません。

自己肯定感が上がったのは、あくまで自分の中と、職場での話でした。家庭内では理解されておりません。


まとめ

いつ積立を10年ほど続けたころ
状態資産は増えているのに、生活がみみっちい
やったこと中古のハリアーを300万円で購入
大きかったものお金を使えたことより、いいものを1つ持てたこと
残ったものリセールを意識して買うという考え方

資産が増えれば、自己肯定感は上がります。そこは間違いないです。

問題は、その犠牲のほうでした。

インデックス投資は、続けるほどお金が貯まります。その一方で、使わない訓練を何年も積むことになる。貯まるスピードと、自分の生活の質が、どんどん離れていきます。日常から彩りが消えていく感じですね。

そこに例の時期が重なると、なかなかしんどい。

それに、資産は数字です。口座の中で増えていても、実感が湧きません。

何か1つでもいいものを持ってみると、あぁ、これが買える自分。素敵やん、と思えます。その実感のほうが、たぶん要ります。

自分の場合は、それが車でした。

いまも同じことで迷っています。使えないまま資産だけが増えていく話は、新NISA出口戦略に書きました。使う練習をしている話はVYM分配金の使い道を全部公開です。

髪は茶色にしていません。


投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品を推奨するものではありません。

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