オルカン vs S&P500 vs 全米株(VTI)。全部持った自分が、20年でオルカンに行き着いた話

「オルカン、S&P500、全米株(VTI)。結局、どれがいいの?」

投資を始める人が、必ず一度はぶつかる問いです。ネットでも、定期的に論争になる。

20年やってきた自分の答えを、先に言います。オルカン(全世界株)です。

ただ、これは「最初からオルカン推し」だった人間の意見じゃありません。自分は、S&P500も、全米株(VTI)も、ぜんぶ実際に持ってきました。 先進国だけのインデックス、新興国、米国レバレッジ(SPXL)まで……投資初期は、ありとあらゆる”株のインデックス”を、バラバラに抱えていた人間です。

その散らかったポートフォリオを、20年かけて整理して、最後に行き着いたのが——オルカン1本でした。

なぜ、全部持った人間が、オルカンに落ち着いたのか。「結局、中身はほぼ同じ」だと、身にしみて分かったからです。その実物(自分の昔と今のポートフォリオ)も見せながら、書いていきます。

※ 数字や保有実績は、すべて自分のケースです。 ※ 投資判断は自己責任でお願いします。

つみたていぬ

ぶっちゃけ、どっちでもいい。
でも、SpaceXとか「次は〇〇国」とかでザワつくタイプは、全部入りのオルカンでいいと思うよ。


この記事の目次

  1. そもそも、何が違う?
  2. 自分で無理やり、オルカンを目指していた
  3. 値動きは、大差ない
  4. 結局、自分で”オルカンもどき”を作っていた
  5. SpaceXは、いい”リトマス試験紙”
  6. じゃあ、今から始めるなら?
  7. まとめ:どっちでもいい。でも、ザワつくならオルカン

① そもそも、何が違う?

ここは、どこのブログにも書いてあるので、サクッと。

投資先銘柄数
オルカン全世界(先進国+新興国)約3,000社
S&P500米国の大型500社500社
全米株(VTI)米国まるごと約4,000社

ざっくり言うと——S&P500は全米(VTI)の一部で、その全米はオルカンのアメリカ部分。3つは別物というより、重なってるんです(オルカンの中にアメリカ、そのアメリカの中にS&P500)。

この”重なり”が、後半の「結局、中身はほぼ同じ」に効いてきます。


② 自分で無理やり、オルカンを目指していた

「オルカンがいい」なんて言ってますが。投資初期から中期の自分は、いろんな”株のインデックス”を、バラバラに抱えていた人間です。

当時は、低コストで広く分散しようとすると、こうやって自分でバラバラに買うしかなかったんです。「オルカン1本で全世界」なんて便利な商品は、まだ無かった時代。だから、先進国は先進国、新興国は新興国、米国は米国……と、自分で組み合わせていました。

  • VTI(全米):楽天が取り扱いを始めた”記念”に購入(今はもう持ってません)。超低コスト。
  • IVV(S&P500):米国への投資として、当時はこれが超低コスト。
  • 先進国/新興国/SMT海外:全世界に分散するために、低コスト投信を渡り歩き。
  • ……まあ、中にはS&P500の3倍レバレッジ(SPXL)みたいな、よくわからん商品も混ざってましたが。

VTIやIVVは、もっと前に手放していますが。でも、それでも——2021年時点の自分のポートフォリオが、これです。

2021年のポートフォリオ:散らかった全部入り

11銘柄。「低コストで、広く分散したい」と、低コスト投信を中心に乗り換えつつ、増えていった結果です。当時はこれでも、かなり最善なはずでした(一部の冒険を除いて)。

そして、この散らかりを数年かけて整理した先が、オルカンでした(その大掃除の話はポートフォリオの大掃除に)。次から、その”なぜ”を書きます。


③ 値動きは、大差ない

実感から言うと——そんなに変わりません。

(※全米VTIは中身がほぼS&P500なので、ここからは「全世界=オルカン vs 米国=S&P500」の2択で書きます)

2〜3年前は「S&P500最強、オルカンは劣る」の声が大きかった。でも今はオルカンも好調。“最強”の風向きは、ころころ変わります。

そもそも、オルカンの中身は約6割が米国。S&P500と半分以上が同じ顔ぶれなので、値動きが極端に違うわけがないんです。

自分が両方持ってた実感としても、長期で見れば、似たような右肩上がり。「どっちが増えるか」で消耗するのは、あまり意味がないと思っています。


④ 結局、自分で”オルカンもどき”を作っていた

ここが、この記事のいちばん言いたいところです。

②で見た、2021年の散らかったポートフォリオ。先進国、新興国、米国(レバレッジ)、TOPIX……バラバラに11銘柄。

でも、よく見てください。これ、全部合わせると——だいたい「全世界の株」なんです。

先進国+新興国で、ほぼ全世界。そこに米国を厚めに乗せて……要するに、自分は手作業でオルカンのようなものを、自分で苦労して再現していたわけです。オルカンという完成品が無かった時代に、似たようなものを、自分で組み立てていたわけです。

なぜ、日本にも配分していたのか

ちなみに当時は、日本株や日本債券にも配分していました。2010年の記録を見ると、日本株12.5%、日本債券12.5%。合わせると、日本だけで4分の1を占めていました。今のオルカンの日本比率は5%程度なので、ずいぶん違います。

なぜ日本を厚くしていたか。日本に住んで、日本円で生活していたからです。生活の基盤が日本にある以上、資産にも日本を入れておくのが自然だと思っていました。

今でこそ「S&P500に全力」という人をよく見かけますが、15年以上前は、そういう人はあまりいなかった印象です。当時の感覚では、これが自分なりの世界分散でした。

少ない金額で分散しても、あまり意味がなかった

もう一つ、当時の反省を正直に書いておきます。

月6万円を、日本株・日本債券・先進国・新興国の4つに割り振っていました。日本株なら月7,500円です。

理論上は、この配分で積み立てを続ければいいバランスになるはずでした。でも実際にやってみると、少ない金額で分散しても、分散の効果はあまり感じられませんでした。どれも中途半端で、そのくせ管理する対象だけが増えていく。

今から見れば、単純に面倒なだけだったというのが正直なところです。金額が小さいうちは、1本でいい。この実感が、後のオルカン1本につながっています。

しかも、オルカンには”自動調整”がある

ここがオルカンのすごいところ。割合を、時価総額加重で勝手に調整してくれる。

米国が伸びれば、オルカンの中の米国比率も自動で上がる。新興国が伸びれば、新興国の比率も上がる。世界の勢力図が変われば、それに合わせて中身も入れ替わっていく。自分は、何もしなくていい。

これを個別の銘柄でやろうとすると——「米国が増えすぎたから一部売って、新興国を買い足して……」と、自分でリバランスし続けなきゃいけない。

そして何より——コストが、激安

オルカンを語るうえで、これは絶対に外せません。とにかく、信託報酬(持っているだけでかかるコスト)が、激安なんです。

eMAXIS Slim オールカントリーの信託報酬は、年0.05775%ほど(税込・執筆時点)。100万円持っていても、年に約577円

これは本当にすごいことで、オルカン以上の商品は、なかなか出てこないんじゃないかと思っています。理由のひとつは、この経費率の低さです。

しかも、Slimシリーズは「業界最低水準を目指し続ける」方針で、これまで何度も信託報酬を引き下げてきた。持っているだけで、勝手にコストが下がっていく——こんな商品、昔は考えられませんでした。

「広く分散」「自動調整」、そして「激安コスト」。この3つが揃ってるから、自分はオルカンを選んでいます。

で、整理した結果が、これ

今(2026年)のポートフォリオ:オルカン中心にスッキリ

11銘柄あった株のインデックスが、オルカン1本(+売ると税金が大きい過去の勝ち分・SMT海外、+もらう用のVYM)に集約。はい、スッキリ。

20年やってきたインデックス投資家が、あれこれ全部試した末にたどり着いたのが、オルカン。もう、これ以上の商品って、ちょっと考えられないんですよね。

※ オルカンとVYMの2軸にした理由は、オルカンとVYMの2軸に。


⑤ SpaceXは、いい”リトマス試験紙”

2026年6月12日、SpaceXがついに上場しました(NASDAQ、ティッカーSPCX)。史上最大のIPOです。ここで、ちょっと面白い違いが出ます。

この巨大企業を、オルカンとS&P500は、いつ取り込むのか。

  • オルカン(MSCI):大型IPOは「ファストエントリー」で、上場からわりとすぐ組み入れられる。定期入替を待たない。
  • S&P500:採用基準が厳しい。米国企業・時価総額の条件・1年の取引実績・4四半期連続の黒字……をクリアし、委員会が選ぶ。だから巨大IPOでも、入るまで数年かかることも

実際、テスラがS&P500に入るまで、上場から10年以上かかりました。SpaceXも、報道では「採用は数年先」と言われています。

まぁ、オルカン歴3年の私も最近知った話なんですがね。凄すぎですよねオルカン。まーじでそんな制度があるなんて知りませんでしたからね。

どっちがいい、という話ではありません。

  • オルカン:時価総額加重、世界の市場のまるごと
  • S&P500:黒字の優良企業の実績、安心のフィルター

問題は——SpaceXのニュースを見て、あなたの心は、ザワついたか?

「SpaceX、なんかええらしいやん…」とソワソワしたなら。あるいは「次の話題企業は逃したくない」と感じたなら。あなたはたぶん、オルカン向きです。

まぁ、私は投資歴長いのと、インデックス投資なので、そんなことぐらいで心がソワソワ、ちょっとしただけですけどね。危うくIPO申し込んだろうかと思ったぐらいですね。

オルカンなら、SpaceXだろうが、次の”何か”だろうが、大きくなれば勝手に拾ってくれる。「乗り遅れた」と焦ることが、構造的に起きない。安心してください、ちゃんと組み込まれます!

逆に、「いやいや、黒字も出てない会社が指数に入るほうが怖い。S&P500の厳しさが安心」と思ったなら、それはそれで、S&P500向きの考え方です。

SpaceXは、自分がどっちタイプかを教えてくれる、いいリトマス試験紙——というのが、今回いちばん言いたかったことです。


⑥ じゃあ、今から始めるなら?

「で、結局どれを買えばいいの?」と思いますよね。

自分の答えは、オルカンです。広く分散・自動調整・激安コスト、そして何が来ても拾ってくれる。20年あれこれ試して、全部持って、最後にここに落ち着きました。

ただ——S&P500がダメ、という話では全くありません。 米国の強さを信じて、迷いなく積めるなら、それも立派な正解。長期で見れば、どっちも大きな失敗にはなりません。

迷っているなら、答えは出ています

自分なりの、いちばんシンプルな決め方を書いておきます。

  • アメリカがまだまだ来る、と確信がある人 → S&P500でいい
  • 迷っている人 → オルカン

理由は単純です。迷うということは、確信が持てていないということだからです。確信がないままS&P500に賭けて、もし米国が停滞したら、「なんであの時オルカンにしなかったんだ」と後悔することになります。

その点オルカンなら、米国が強ければ米国比率が上がって恩恵を受けられるし、他の国が伸びればそれも拾ってくれる。どっちに転んでも、後悔が少ない

積立・分散・低コストを長く続けていくつもりなら、オルカンでいいと思います。


⑦ まとめ:どっちでもいい。でも、ザワつくならオルカン

最後に、ぎゅっと。

  • オルカン・S&P500・全米(VTI)。中身はかなり重なっていて、値動きも大差ない
  • だから、結局どっちでもいい。長期で積めば、大失敗はしない
  • あえて選ぶなら、自分はオルカン(広く分散・自動調整・激安コスト)
  • そして——SpaceXや”次は〇〇国”みたいな話に心がザワつくタイプの人は、迷わずオルカン。全部入ってるから、焦らなくていい

20年やってきた自分が、散らかった末にたどり着いたのが、オルカン1本(なぜ一本化したかはオルカン一本化した理由に)。もう、これ以上シンプルで、これ以上”考えなくていい”商品は、ないと思っています。

投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品を推奨するものではありません。

← 記事一覧に戻る