J-REITの利回りが4.88%でした。NAV倍率という言葉を、20年目に初めて知りました
インデックス投資なんとなくリートの利回りを見たら、4.88%になっていました。
けっこう高いな、と思いました。
3,000万円入れたら年146万円です。税金を引いても116万円。いま持っているVYMの分配金と足すと、年176万円になります。
買うつもりはありません。方針も変えません。ただ、そこから2時間ほど調べてしまったので、メモとして残しておきます。
買わへんのに調べたんか。
この記事の目次
- きっかけは、利回り4.88%でした
- 3,000万円ならいくらか、計算してみました
- チャートを開いても、さっぱり分かりませんでした
- NAV倍率という言葉を、初めて知りました
- リーマンのときは8%まで上がって、1つ潰れています
- 買うなら1343かな、と思って中身を見ました
- 魅力に感じたのは、利回りだけではありませんでした
- 実物の不動産は怖い。でもリートなら、許容範囲に見えます
- まとめ
1. きっかけは、利回り4.88%でした
東証REIT指数に連動するETFがあります。1343です。
| 銘柄 | NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信 |
| 取引所価格 | 1,899円(2026年9月8日終値) |
| 分配金利回り | 4.88% |
| 信託報酬 | 0.1705% |
| 分配金 | 年4回(2月・5月・8月・11月) |
| 純資産 | 5,253億円 |
※出典:野村アセットマネジメント。利回りは基準日2026年9月7日で、過去1年に払われた分配金の合計を基準価額で割ったものです
売買単位は10口なので、18,990円から買えます。信託報酬も安い。NISAの成長投資枠にも入ります。
いま10年国債が2.9%台まで上がってきているので、それより2ポイント高い。
金利が上がったら不動産は苦しくなる。苦しくなるから価格が下がる。下がったぶん利回りが上がる。たぶんそういう順番だろうな、というくらいの理解でした。
2. 3,000万円ならいくらか、計算してみました
いくら入れるか。なんとなく3,000万円で考えました。理由は7章に書きます。
| 利回り | 税引前 | 税引後 | 月あたり |
|---|---|---|---|
| 4.00% | 120.0万円 | 95.6万円 | 8.0万円 |
| 4.88% | 146.4万円 | 116.7万円 | 9.7万円 |
| 5.43% | 162.9万円 | 129.8万円 | 10.8万円 |
※真ん中の4.88%が1343の利回りです。上下は目安として置きました
税引後で116.7万円。
ここにVYMの分配金が乗ります。VYMは評価額4,000万円ほどで、年60万円くらい入ってきます。詳しくは18万円、使い道が思いつきませんに書きました。
合計で年176.7万円。月14.7万円です。
家族5人でこれだけで暮らせるかというと、無理です。でも、ぼんやり眺めるには悪くない数字でした。
なお、NISAで全部は買えません。成長投資枠は年240万円まで、生涯でも1,200万円までです。3,000万円なら、大半は課税口座になります。上の税引後は、そういう前提の数字です。
3. チャートを開いても、さっぱり分かりませんでした
ここからが本題というか、白状パートです。
スタバでノートPCを開いて、東証REIT指数のチャートを出してみました。それっぽく眺めてみました。
なんで下がっているのか、さっぱり分かりません。
たぶん金利が影響しているんだろうな、とは思います。でもそこから先は分からない。どの局面がどの要因で動いたのか、説明できません。
自分が見ているのは利回りだけです。
インデックス投資を20年やってきましたが、やってきたのは積立と記録です。チャートを読む訓練は1回もしていません。でも、チャートを眺めているとやってる感が出て満足です。20年やっても、自分の分野以外は本当に何も知りません。
4. NAV倍率という言葉を、初めて知りました
調べていたら、NAV倍率という指標が出てきました。
持っている不動産の純資産価値に対して、いまいくらの値段がついているか。株でいうPBRのようなものだそうです。1倍なら適正、1倍を割れば割安。
へー、そういうのがあるんや。
ここから先は1343の数字ではありません。 J-REIT市場全体の平均です。
| J-REIT市場全体のNAV倍率 | |
|---|---|
| いま | 約0.86倍 |
| 直近10年の平均 | 約1.01倍 |
| 2020年コロナ時の底 | 約0.92倍 |
| 過去のレンジ | 0.6倍〜1.7倍 |
※不動産証券化協会(ARES)のグラフからの読み取りです。おおよその水準としてご覧ください
持っている不動産より14%安い値段がついている。コロナショックの底より安い。
これは安いらしいです。
ついでに、イールドスプレッドという言葉も知りました。REITの利回りと長期金利の差です。
計算しようとして、ここでつまずきました。
市場全体の平均利回りを見たら、5.15%だったんです。
自分が最初に見た4.88%は1343の数字で、しかも過去1年の実績です。市場平均のほうは全銘柄の平均。同じリートの利回りなのに、0.27ポイント違いました。
| 1343の分配金利回り | 4.88% |
| J-REIT市場の平均分配金利回り | 5.15%(2026年9月4日) |
※市場平均の出典:JAPAN-REIT.COM
比べる相手が市場全体のデータなので、こちらは市場平均で計算します。
| J-REIT市場の平均分配金利回り | 5.15% |
| 10年国債の利回り | 2.935% |
| 差 | 2.22% |
※国債利回りは財務省・2026年9月7日
こっちはNAV倍率と逆でした。過去、この差はリーマン前後を除けば2%〜5%で動いていたそうです。いまは2.22%で、その下限すれすれです。
長期金利のほうが速く上がったからだと思います。REITの利回りは4%台から5%台へ、1%も動いていません。その間に長期金利は0%台から2.9%まで上がった。
NAV倍率は割安と言い、スプレッドはそうでもないと言っています。
同じ市場の数字なのに、逆を向いている。指標を2つ知った結果、分からないことが2つ増えました。
まぁ、いいでしょう。気にしないことにしました。
5. リーマンのときは8%まで上がって、1つ潰れています
利回りの数字を見ていて、思い出したことがあります。
リーマンショックのとき、リートの利回りがとんでもないことになっていた記憶です。10%近くまで行った気がする、とずっと思っていました。
調べたら、8%前後でした。
2008年のリーマンショック後は一時的に8%前後まで上昇しているが、これは100年に一度と言われている混乱の時であり、きわめて異例の水準である
※出典:ARES J-REIT Databookをもとにした解説より
数字は少し盛れていましたが、異例だったという記憶は合っていました。
割安か割高かの目安は、自分の感覚だとこのあたりです。20年ぼんやり見てきただけなので、根拠のある数字ではありません。
| 分配金利回り | 自分の感覚 |
|---|---|
| 3% | 割高 |
| 3〜5% | 通常のレンジ |
| 6%に近づく | 割安 |
8%は、その先にある「市場が壊れているとき」の数字です。
いまの市場平均は5.15%。通常のレンジを、ちょっと超えたあたりになります。
そして、これも記憶にありました。リートが1つ潰れています。
| ニューシティ・レジデンス投資法人 | 2008年10月9日に民事再生法を申請 |
| 負債総額 | 1,123億6,500万円 |
| 位置づけ | J-REIT初にして、いまも唯一の破綻 |
日本レジデンシャル投資法人も実質破綻の扱いだそうです。
これ、ニュースで見た記憶があります。えっ、リートって潰れることあるんや、と思いました。怖いなっ、と。
で、当時どうだったか
ここが数字より覚えていることです。
あのころ、まわりで投資の話をしている人は、だーれもいませんでした。
リートなんか、なにそれ、という感じです。名前も知られていない。もう終わっとるで、みたいな流れでした。
自分が積立を始めたのが2008年7月です。そこから54ヶ月ずっと元本割れが続きました。その話は積立投資の元本割れは何年続く?に書いています。
利回り8%が転がっていたのは、まさにその時期です。でも当時それを「割安」と思えた人は、ほとんどいなかったと思います。
ただ、自分は持っていました。阪急リートです。
買ったのは2008年ごろ。「株式だけじゃなく不動産も持っておきたい、それならリートでいこう」と考えました。阪急にしたのは関西に馴染みがあったからです。沿線も商業施設も、生活圏でよく知っていました。当時リートの価格が下がっていたのも、後押しになりました。
18年前も、分散したくて買っています。今回とまったく同じ動機です。
ただ、買ったのはリーマンの前でした。
下がっていたから買って、そこからリーマンが来て、もっと下がりました。そのあとは、ずっとマイナスです。リーマンのときで−19.05%。当時の投資資産の約17%を1銘柄に入れていたので、けっこうなマイナスでした。
当時のポートフォリオは投資初期のポートフォリオを晒すに全部出しました。
そして、持っていたのにNAV倍率なんて言葉は知りませんでした。
いまは、忘れられている気がします
いま世の中は半導体で湧いています。
その中で、リートはすーっかり忘れられている気がします。
忘れられているから利回りが上がっている、という面はあると思います。ただ、忘れられていたものが必ず戻るかというと、それは別の話です。
6. 買うなら1343かな、と思って中身を見ました
もし買うとしたら、分散という点で1343かなと思いました。個別を選ぶ知識はありません。
なので中身を見てみました。59銘柄、全部入っています。時価総額加重なので、上に偏ります。
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | 日本ビルファンド投資法人 | 7.13% |
| 2 | ジャパンリアルエステイト投資法人 | 5.78% |
| 3 | 日本都市ファンド投資法人 | 5.47% |
| 4 | 野村不動産マスターファンド投資法人 | 4.37% |
| 5 | GLP投資法人 | 4.33% |
| 6 | 日本プロロジスリート投資法人 | 4.19% |
| 7 | KDX不動産投資法人 | 4.06% |
| 8 | オリックス不動産投資法人 | 3.62% |
| 9 | 大和ハウスリート投資法人 | 3.39% |
| 10 | ジャパン・ホテル・リート投資法人 | 3.31% |
※2026年8月31日現在。上位10銘柄で45.6%、上位20銘柄で69.4%
用途で見ると、オフィスが13%、物流が12%、ホテルが6%、商業が7%、住宅が5%、残りは総合型でした。物流とホテルがけっこう入っているのは知りませんでした。
分配金も見てみました。100口あたりで、こうです。
| 決算 | 金額 |
|---|---|
| 2025年8月 | 1,990円 |
| 2025年11月 | 2,310円 |
| 2026年2月 | 2,550円 |
| 2026年5月 | 2,370円 |
| 2026年8月 | 2,060円 |
年間では前の年より7.5%増えていますが、四半期ごとの入金は最小1,890円から最大2,550円まで、35%動いています。
3,000万円だと、月7.9万円から10.7万円のあいだで揺れる計算です。毎月これだけ入る、という前提は置けません。
7. 魅力に感じたのは、利回りだけではありませんでした
ここまで書いてきて、自分が何に反応したのか分かってきました。
利回りだけではありませんでした。3つあります。
外貨比率を下げられる
いまのポートフォリオは投資2,850万円が1億円にに全部出しています。オルカン、VYM、SMT海外株式の3つだけ。シンプルでいいのですが、外貨比率が高いんですよね。いいか悪いかは置いといて。
通貨で見ると、こうなっています。
| 外貨建て | 約9,836万円(97.9%) |
| 円建て | 約212万円(2.1%) |
※オルカンの日本比率を5%として計算した概算です
ほぼ全部ドルです。いまは1ドル10円動くと、資産が600万円以上動きます。
ここに3,000万円のリートを入れると、円建てが2%から32%になります。為替で揺れる幅が、3割ほど小さくなる。
これがいちばん大きいと思いました。
資産三分法に近づけられる
昔から言われている資産三分法があります。現金・不動産・株式を3分の1ずつ持つ、というやつです。
1億に対して不動産が3分の1なら、3,350万円。
2章で「なんとなく3,000万円」と書きましたが、ほぼその水準でした。金額から入ったつもりで、昔からある型の不動産枠を選んでいたことになります。
分配金は、使いやすい
これは実感があります。
VYMの分配金は、売らなくてもお金が入ってきます。だから使える。インデックスを取り崩すのとは、心理的にまったく違います。その話は18万円、使い道が思いつきませんの7章に書きました。
リートの分配金も、同じ性質のお金です。
8. 実物の不動産は怖い。でもリートなら、許容範囲に見えます
不動産投資をやらない理由は「よくわからん」ですという記事を、今年の4月に書きました。
いまも同じです。3,000万円で実物のマンションを買うのは、自分には怖い。
でも、同じ3,000万円をリートで持つのは、許容範囲内に見えます。何が違うのかを並べてみました。
| 実物の不動産 | リート | |
|---|---|---|
| 買い方 | だいたい借金が要る | 現金で買える |
| 売りたいとき | 買い手を探すところから | その日に売れる |
| 分散 | 1棟か1室に集中 | 59銘柄に分散 |
| 自分が死んだあと | 家族が管理を引き継ぐ | 証券口座の中にある |
033で具合が悪いと書いたのは、いちばん下の行でした。自分が死んだあと、家族が不動産の管理をできるとは思えない。リートなら、他の投資信託と同じ扱いで済みます。
同じ不動産でも、自分が取れるリスクの形が違いますね。
9. まとめ
なんとなく利回りを見て、調べて、けっこうお得感があることは分かりました。
それだけです。
買いません。投資方針書に従って、方針も変えません。オルカンとVYMのままでいきます。特に何もしない。
18年前も、同じ理由で買っています。株式だけじゃなく不動産も持っておきたい、という理由でした。そこからリーマンが来て、長いあいだマイナスのままでした。
ただ、頭の中には入れておこうと思います。調べてみて、けっこう割安なのは分かったので。
仮に6%台に乗ってきたら、ちょっと買うかもしれません。だから長期金利とリートの利回りは、たまに見ておくことにします。
投資方針は変わらずですけどね。
投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品を推奨するものではありません。