「積立投資、全然増えない…」そんな人に見てほしい20年の本物のグラフ
「はいはい、長期投資ね。未来は複利で爆益ですよ、っと」
シミュレーションだの、右肩上がりのきれいなグラフだの——調べれば、向こう20年の”理想のグラフ”はいくらでも出てきます。
でも、ふと思うわけです。それ、実際にやり切った人っているの? と。未来の予想じゃなく、もう20年が”過去”になってる人。理想じゃなく、リアル。
——いました。ここに。しかも、割と詳細なデータを持って。
シミュレーションじゃない。
実際の長期投資、20年間の本物のグラフを出すよ。
これが、自分が2008年から積み立ててきた、20年ぶんの実物の記録です。

緑が、毎月コツコツ積み立ててきた「元本」。青が、実際の「資産総額」です。
このグラフで伝えたいのは、“右肩上がり”の自慢じゃありません。むしろ逆。最初の十数年、青と緑はほぼ重なったまま。「積み立ててるのに、ぜんぜん増えない」——その退屈で不安な時期が、ありえないくらい長く続く、という話です。
だから、この記事を読んでほしいのは、こんな人。
いま積み立ててるのに増えなくて不安な人。大丈夫、辞めなければ、複利は後半にきっと来ます。
20年やってきた自分の実物で、その「何も起きない→急に来る」を、最後まで見せます。
① 最初の十数年、本当に何も起きない
もう一度、グラフの左半分を見てください。2008年から2020年ごろまで。
青(資産)と緑(元本)が、ほぼぴったり重なっています。十数年積み立てても、資産はほぼ元本のまま。増えた実感は、ほとんどありません。
それどころか、です。スタート直後にリーマンショックが直撃して、青が緑を下回った——積み立てた金額より評価額のほうが少ない、いわゆる含み損の時期もありました。
——いま、まさにこの状態の人、いませんか。「数年やってるのに、ぜんぜん増えない」「むしろマイナスやん」と。
大丈夫です。それ、失敗じゃありません。あなたは今、このグラフの”左半分”にいるだけ。みんなが通る、退屈で不安な”種まきの時期”です。
② 20年の「心の声」年表
グラフは、ただの線です。でもその裏で、毎年こんなことを感じてました。シミュレーションには絶対に出てこない、リアルな心の声がこれだ。
| 年 | グラフ/相場 | その年の心の声 |
|---|---|---|
| 2008 | 開始直後にリーマン直撃 | びっくりするぐらいマイナスなんすけど。こんなもん? |
| 09–11 | 暗黒期・含み損 | もうね、この頃は誰も株の話なんてしてませんでした |
| 12–13 | 回復の兆し | プラス、プラスになってきた。長かった… |
| 14–17 | 横ばい | 相変わらず退屈。でも続ける |
| 18–19 | 微増 | 増えてる?のか? 順調な気はするが、果たして |
| 2020 | コロナショック | グラフで見たらすっごい減ってるからびっくりしたで。下降の角度がすっごい急なの。でも逆に、ここぞと投資金額を増やしにいってた |
| 21–22 | 急回復 | あれ、急に増えてきた…? 勢いすごない? グラフ見るの楽しい |
| 23–24 | 上昇加速 | 複利、、すげーなと実感してきた。月で動く単位が何百万になってきとる |
| 2025 | 急騰 | 1年で増えた金額が、年収くらいあって、逆に動揺してしまう |
| 2026 | ピーク→直近は調整 | 慣れるって怖いもので、何百万円が動いても「あっ、そうですか」と感情が動きにくくなってきた |
こうして並べると、はっきり分かります。「増えない・不安・退屈」が、最初の十数年ずっと続いてる。プラスを実感できたのが、ようやく2012〜13年。「複利すげー」と言えたのは、20年近く経った2023年以降です。
そう——おいしい後半に行き着くには、この長い”心が折れそうな前半”を、ただ耐えるしかない。
③ 後半、お金が動く”単位”がバグってくる
理由は複利——なんですが、これは世の中で飽和するほど語られてるので、ここは”体験”で語ります。
よく言う「年5%」でも、元本100万円なら+5万、元本2,000万円なら+100万。率は同じでも、増える金額は20倍違う。この理屈、頭では分かっていても——実際に起きてみると、かなりの破壊力です。
給料くらいの金額が、毎日、行ったり来たりする。月で見れば、車が一台あっさり買える額が動く。
そして「車、買えるなぁ…」なんて単位になってくると、ちょっとだけ本当に買いたくなって、動揺してしまうわけです。(これが複利の力か、と。すごいな、と)
最初の十数年、コツコツ積んだ元本(緑のバー)の地味な積み上げが、後半になって一気に効いていますね。
④ いちばんの失敗は、「左半分」で辞めること
もう一度、グラフを見てください。

ここまで見れば、長期投資のいちばん怖い失敗が分かります。暴落で売ることでも、銘柄選びをミスることでもない。「左半分」で辞めてしまうことです。
グラフの左半分——増えない、退屈、たまに含み損。あの時期に「やっぱりインデックスは増えないな」と見切りをつけて、辞めてしまう。
でも、左半分しか見ていない人は、右半分(あの急カーブ)が来ることを知りません。種をまいて、芽が出る前に土を掘り返すようなもの。いちばん、もったいない辞め方です。
実際、自分のまわりにも「数年やったけど増えないからやめた」という人は、けっこういます。その人たちは、この後半を見ていない。
辞めなければ、ただ続けてさえいれば、左半分はいつか勝手に右半分になっていく。必要なのは才能でも、相場を読む力でもなく、“辞めない”こと。それだけです。
⑤ 今、「増えない」と悩んでいるあなたへ
最後に、もう一度。
もしあなたが今、「数年積み立ててるのに増えない」「むしろマイナスやん」とモヤモヤしているなら——それは、何も間違っていません。あなたは、このグラフの”左半分”にいるだけです。
自分も2008年から十数年、ずっとそこにいました。増えない、退屈、含み損。でも辞めなかったから、今このグラフの”右半分”にいます。
やることは、びっくりするほどシンプルです。
- 毎月、淡々と積み立てる(→私の投資方針書)
- 暴落が来ても、売らない(→暴落が来ても売らない理由)
- そして、辞めない
これだけで、左半分は、いつか右半分になります。20年やってきた自分の実物が、その証拠です。
投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品を推奨するものではありません。