積立投資の元本割れは何年続く?20年の記録では54ヶ月でした
実績・記録積立投資を始めて、資産が元本を下回ったままになる。あれは、何ヶ月続くのか。
調べてもシミュレーションばかりで、実際に何ヶ月だったかを書いたものが、あまり見つかりませんでした。
自分は2008年7月から、毎月の元本と資産を記録しています。219ヶ月ぶんあります。そこから数えました。
元本割れは54ヶ月でした。2008年7月から2012年12月まで、4年6ヶ月です。
シミュレーションじゃない。
実際に何ヶ月だったか、数えた話やで。
先に言っておくと、これは自分の場合の記録です。始めた時期も、入れた額も、買ったものも人によって違います。同じ年数になる保証はありません。
この記事の目次
- 結論:54ヶ月、資産が元本を下回っていました
- 20年でどう動いたか
- 54ヶ月を拡大すると、こうなります
- 20年の心の声年表
- 抜けたあとに起きたこと
- いちばんもったいないのは、54ヶ月の途中で辞めること
- 辞め方は、相場によって変わります
- よくある質問
1. 結論:54ヶ月、資産が元本を下回っていました
| 元本割れの期間 | 2008年7月〜2012年12月 |
| 続いた月数 | 54ヶ月(4年6ヶ月) |
| いちばん悪かった月 | 2009年2月(−40.5%) |
| 抜けたあと | 2013年1月から165ヶ月、元本割れはしてません |
※毎月の記録から数えた実数です。金額は2026年9月時点。
積立投資で「増えない」と感じる時期は、自分の場合、増えないどころか入れた額より少ない状態でした。しかもそれが4年半です。
2. 20年でどう動いたか
まず全体を出します。

※ 2026年9月時点の記録です。資産額は相場で上下します。
薄い青が積み立てた元本、濃い青が資産です。左端のサーモン色の帯が、元本割れしていた54ヶ月です。
いま元本2,895万円に対して資産は1億547万円ですが、このグラフの左端で4年半、青い線は下にいました。
伝えたいのは右肩上がりの自慢ではありません。むしろ逆で、最初の十数年は元本とほとんど重なったままだということです。
3. 54ヶ月を拡大すると、こうなります
左端だけを切り出したのが、このグラフです。

塗ってあるところが、全部元本割れです。
年ごとに並べると、こうなります。
| 年 | いちばん悪かった月 | 年末の元本 | 年末の資産 |
|---|---|---|---|
| 2008年(7月から) | 12月 −36.2% | 342万円 | 218万円 |
| 2009年 | 2月 −40.5% | 453万円 | 372万円 |
| 2010年 | 9月 −18.6% | 535万円 | 478万円 |
| 2011年 | 10月 −21.8% | 574万円 | 477万円 |
| 2012年 | 1月 −18.2% | 610万円 | 599万円 |
元本は毎年増えています。259万円から610万円まで、4年6ヶ月で351万円を積み増しました。
それでも、資産が元本を超えた月は一度もありません。
グラフを見ると、近づいては離れるのを繰り返しているのが分かります。2010年も2011年も、あと少しのところまで行って、また落ちる。2012年12月にようやく−1.8%まで戻って、翌2013年1月にプラスへ抜けました。
この時期に何があったかはインデックス投資を20年続けた結果【前編】に書いています。
4. 20年の心の声年表
グラフは、ただの線です。その裏で、毎年こんなことを感じていました。
| 年 | グラフ/相場 | その年の心の声 |
|---|---|---|
| 2008 | 開始直後にリーマン直撃 | びっくりするぐらいマイナスなんすけど。こんなもん? |
| 09–11 | 暗黒期・含み損 | もうね、この頃は誰も株の話なんてしてませんでした |
| 12–13 | 回復の兆し | プラス、プラスになってきた。長かった… |
| 14–17 | 横ばい | 相変わらず退屈。でも続ける |
| 18–19 | 微増 | 増えてる?のか?順調な気はするが、果たして |
| 2020 | コロナショック | グラフで見たらすっごい減ってるからびっくりしたで。下降の角度がすっごい急なの。でも逆に、ここぞと投資金額を増やしにいってた |
| 21–22 | 急回復 | あれ、急に増えてきた…?勢いすごない?グラフ見るの楽しい |
| 23–24 | 上昇加速 | 複利、、すげーなと実感してきた。月で動く単位が何百万になってきとる |
| 2025 | 急騰 | 1年で増えた金額が、年収くらいあって、逆に動揺してしまう |
| 2026 | ピーク→直近は調整 | 慣れるって怖いもので、何百万円が動いても「あっ、そうですか」と感情が動きにくくなってきた |
上の3行が、元本割れしていた54ヶ月です。
読み返すと、当時は「こんなもん?」で止まっています。深刻に悩んでもいないかわりに、期待もしていません。誰も株の話をしていなかったので、比べる相手もいませんでした。
5. 抜けたあとに起きたこと
2013年1月にプラスへ戻ってから、いまも元本割れしていません。
| 2012年12月 | 元本610万円 / 資産599万円(−1.8%) |
| 2013年12月 | 元本646万円 / 資産947万円(+46.6%) |
1年でこうなりました。4年半かけて超えられなかった線を、越えたあとは一気に離れています。
そのあとは、動く金額の単位が変わっていきました。給料くらいの額が毎日行ったり来たりして、月で見れば車が一台買える額が動きます。「車、買えるなぁ」という単位になってくると、ちょっと本当に買いたくなって動揺します。
そのあたりの話はインデックス投資を20年続けた結果【後編】に書きました。
2013年1月から2026年9月まで165ヶ月、一度も元本割れしていません。
13年9ヶ月です。うまくやったからではなく、売らなかっただけです。
6. いちばんもったいないのは、54ヶ月の途中で辞めること
もう一度、20年のグラフを見てください。左端のサーモンの帯です。

あそこで辞めた人は、そのあとを見ていません。
自分がやめなかった理由は、根性でも確信でもありません。相場を読めないと分かっていたからです。読めないなら、置いておくしかない。−40.5%のときも、そう思っていました。
元本割れの期間がどれくらい続くかは、始めた時期で変わります。自分はリーマンショックの直前に始めたので54ヶ月でしたが、これが標準というつもりはありません。
ただ、ひとつだけ言えることがあります。その4年半に入れた351万円が、いまいちばん長く運用されているお金です。 18年前に入れた351万円と、去年入れた351万円では、増えるための時間がまったく違います。
積み立ての実額そのものについては新NISAの1,800万円は何年で埋まる?に、いまの中身は投資2,850万円が1億円にに書いています。
7. 辞め方は、相場によって変わります
降りる理由は、そのときの相場で変わります。
リーマンショックのころは、耐えられなくなって退場する人が多かったです。自分のまわりで株の話が完全に消えたのも、この時期です。リスクを取りすぎていた人から、順番にいなくなりました。 借りたお金でやっていた人や、下がったところで買い増して身動きが取れなくなった人です。
いまは逆です。つみたてNISAが始まったのは2018年、新NISAは2024年で、この間の相場は上げてきました。含み損になっている人は、そう多くないはずです。
そのかわり、まわりを見ているとこういう人がいます。
- なぜか積立をやめてしまった人
- 下がったところで損切りした人
- 口座だけ開いて、始めていない人
- プラスになって、うれしくなって売った人
下げでは怖くなって降り、上げではうれしくなって降りる。 理由は逆ですが、やっていることは同じです。
自分が54ヶ月を抜けられたのは、根性があったからではありません。そもそも、耐えられる額しか入れていなかったというだけです。実際その4年半で、年間の投資額は350万円から36万円まで落としています。生活のほうを優先した結果で、意図した戦略ではありません。
でも、いま振り返るとそれで助かっています。額を落としてでも口座を閉じなければ、記録は続きます。この話はエクスポージャーとリスク許容度は、別のものですにも書きました。
ちなみに自分も、売りたくなったことはあります。ただし下げのときではなく、3倍レバレッジを持っていたときでした(→利益が出たら売りたくなる?)。
いまやっていることは、びっくりするほどシンプルです。
- 毎月、たんたんと積み立てる(→私の投資方針書)
- 下がっても、上がっても、売らない(→暴落が来ても売らない理由)
- そして、辞めない
相場は読めませんが、入れる額は選べます。20年やってきて、そこがいちばん効いたと思っています。
8. よくある質問
Q. 積立投資で、あまり増えないのはなぜですか?
A. 前半は、増える金額が元本の大きさに引きずられるからです。自分の場合、最初の4年半で積み上げた元本は610万円でした。ここが何%動いても、金額は小さいままです。2013年に+46.6%になったときでも、増えた額は301万円です。同じ+46%でも、いまの元本なら桁が変わります。
Q. 元本割れは、どれくらいの割合で起きますか?
A. 自分の219ヶ月では、54ヶ月が元本割れでした。全体の24.7%です。 そしてその54ヶ月は、全部いちばん最初にまとまって来ました。始めた時期がリーマンショックの直前だったからです。
Q. いちばん悪かったとき、金額ではいくら減っていましたか?
A. 2009年2月です。元本359万円に対して、資産が214万円でした。マイナス145万円です。 そのときに持っていた新興国のETF(EEM)は−63%でした。当時の中身は投資初期のポートフォリオを晒すに、13銘柄そのまま出しています。
Q. その4年半、積立額は減らしましたか?
A. 減っています。1年目に350万円入れて、4年目は36万円でした。10分の1です。 理由は暴落ではなく、単純にお金がなかったからです。当時は月3万円で、ボーナスで足して年36万円という組み方でした。その話は投資額を半分に減らした年がありますに書きました。
Q. 見るのが怖くなりませんでしたか?
A. 毎月記録をつけていたので、見ないという選択肢がありませんでした。いまこの記事に出している219ヶ月ぶんの数字が、そのときの記録です。ただ、当時は誰も株の話をしていませんでした。比べる相手がいなかったぶん、落ち込みようもなかったと思います。
Q. 元本割れしているとき、何をすればいいですか?
A. 自分は何もしませんでした。売らずに、毎月の積立をそのまま続けただけです。相場を読めないので、置いておく以外の選択肢がありませんでした。それが正しかったかどうかは、結果からしか言えません。
投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品を推奨するものではありません。