ペイオフ対策で口座は分けていません|銀行と証券口座は守られ方が違う。資産をほぼ楽天証券に置いている理由

証券口座・道具

ペイオフ対策で、銀行口座を分けている人がいます。最近は、セキュリティのために証券口座を分ける、という話もXでよく見かけます。

自分は逆で、口座を絞っています。

  • 資産は、ほぼ楽天証券
  • 現金は、楽天銀行
  • 証券口座は楽天とSBIの2つ。銀行は4つで、増やす予定はありません

「証券口座のほうが安全だから」と言いたいわけではありません。銀行預金と証券口座は、そもそも守られ方の仕組みが違います。それを知ったうえで、自分はこう置いている、という記録ですね。

つみたていぬ

口座が増えると、守るところも増えよるんよ

この記事の目次

  1. 銀行預金は、1,000万円までが守られる
  2. 証券口座は、二重の仕組みで守られる
  3. 並べると、こう違う
  4. 自分のお金の置き方
  5. セキュリティのために口座を分ける、という考え方
  6. 自分は、絞るほうを選んでいます
  7. 絞った分、入口を固めておく
  8. まとめ

1. 銀行預金は、1,000万円までが守られる

銀行が破綻したときに預金を守るのが、預金保険制度です。いわゆるペイオフです。

預金保険機構の説明では、守られる範囲はこうなっています。

預金の種類守られる範囲
利息のつく普通預金・定期預金など1つの銀行ごとに、1人あたり元本1,000万円までと、破綻日までの利息
決済用預金(利息がつかない普通預金・当座預金など)全額
外貨預金など対象外

1,000万円を超えた部分は、すぐにゼロになるわけではありません。破綻した銀行の財産の状況に応じて支払われます。ただし、一部がカットされることがあります。

だから「1つの銀行に1,000万円を超えて置かない」「超えそうなら銀行を分ける」というのが、よく言われるペイオフ対策です。

ペイオフ解禁は、リアルタイムで見ていた世代です。といっても覚えているのは、2005年ごろにちょっと世間が騒いでいた気がする、という程度です。

調べてみると、2002年4月に定期預金、2005年4月に普通預金が、1,000万円までの保護に切り替わっていました。それまでは、預金は全額守られていたそうです。

なので「1,000万円まで」という話は、昔から知っています。

このあとの2章と3章は、一応の制度の説明です。気になる人だけ読んでもらえれば大丈夫です。自分の結論は、こちらに書いています。


2. 証券口座は、二重の仕組みで守られる

証券会社のほうは、仕組みが違います。

1つ目は分別管理です。銀行預金と違い、証券会社は、預かった株や投資信託、お金を、自分の会社の財産と分けて管理することが法律で義務になっています。きちんと分けてあれば、証券会社が潰れても、資産は基本的にすべて返ってきます。1,000万円という上限もありません。

自分は、このことを投資を始める前に調べて知っていた気がします。ただ、口座に置いてあるお金まで信託銀行などに分けて預けられているのは、今回調べて初めて知りました。

2つ目は投資者保護基金です。証券会社が破綻して、分別管理の不備などで資産を返せなかったときに、1人1,000万円まで補償します。値下がりした分は補償されません。

この2つ目があるのが、証券会社の大きなところだと思います。FXや暗号資産は、日本で登録している業者でも、この基金の対象ではありません。日本で登録していない海外の業者だと、日本の分別管理や投資者保護基金が同じように効くとは限らず、トラブルのときにお金を取り戻すのが難しいこともあります。自分がFXや仮想通貨、海外の業者をかなり怖いと思うのは、ここです。


3. 並べると、こう違う

銀行預金証券口座
会社が破綻したとき1,000万円と利息まで保護。超えた分は一部カットされることがある分別管理されていれば、基本的に全額返ってくる
返せなかったときの備え預金保険投資者保護基金(1人1,000万円まで)
値下がり円の預金なら、額面は減らない株や投資信託は値下がりする。そこは守られない
乗っ取りによる被害預金保険の対象ではない投資者保護基金の対象ではない

こうして並べると、「証券口座のほうが安全」とは単純に言えません。

  • 会社が潰れたときの守られ方は、証券口座のほうが上限がない
  • でも、株や投資信託は値段が下がる。それはどちらの仕組みでも守られない
  • 乗っ取りは、預金保険や投資者保護基金の対象ではない。ただし、金融機関が独自に補償する場合はある

守られ方の仕組みが違う、というのが正確なところだと思います。


4. 自分のお金の置き方

今は、こうなっています。

口座入っているもの
楽天証券資産のほとんど。投資信託もETFも、積立もここ
SBI証券趣味で持っている個別株だけ。楽天株など
楽天銀行現金。800〜1,000万円くらいで回している
地方銀行給与振込と引き落とし他
ドコモSMTBネット銀行子どものお金
PayPay銀行ほぼ使っていない

マネックス証券は、使わなくなったので解約しました。証券口座を3つに散らかして、片づけるのに苦労した話は、こちらに書いています。

楽天証券とSBI証券を分けているのは、役割が違うからです。インデックスは楽天で積み立てて、個別株はSBIで別に持っています。同じ役割の口座を増やしているわけではありません。

個別株とカッコよく言っていますが、持っているのは2つだけで、合わせて15万円くらいです。個別株って言ってみたかっただけです。

個別株の口座を分けている理由は、こちらに書いています。

楽天銀行は、ペイオフの上限のすぐ近く

楽天銀行の現金は、800〜1,000万円くらいで回しています。1,000万円を超えたことも、たぶんあると思います。

そのとき、ペイオフのことは特に何も考えませんでした。1,000万円を超えると「多いな」と感じるので、投資に回しています。結果として1,000万円前後に収まっているだけで、ペイオフ対策をしているつもりはありません。

楽天銀行の現金の回し方は、こちらに書いています。

そもそも、ペイオフのために銀行を分けたことはありません。銀行口座はむしろ減らしていて、使っていない口座を解約した話は、こちらです。

もしペイオフ対策をするなら

もし自分がペイオフ対策をしっかりやるとしたら、こうします。たとえば現金が3,000万円あったら、

  • 1,000万円は銀行に預ける(ここでは楽天銀行)。預金保険で守られる範囲です
  • 残りの2,000万円は証券口座に入れる(ここでは楽天証券)。自分ならMRFに入れておきます。楽天証券の「らくらくマネー運用」を設定しておけば、待機資金が自動でMRFに回るので手間がかかりません。10年の国債でもいいです

MRFは投資信託なので、元本保証ではありません。ただ、値動きはほとんどなく、証券口座の中で分別管理されます。国債も、種類によっては、満期の前に売ると受け取る額が変わります。

1,000万円ずつ、銀行口座を3つに分けることはしません。口座を開くのが面倒なのと、口座が増えるほどリスクが上がるように感じるからです。このあたりは、6章で書きます。

不思議なもので、お金が大きくなるほど、自分は証券口座のほうが安心感があります。分別管理には、1,000万円という上限がないからです。あくまで自分の感覚ですが。


5. セキュリティのために口座を分ける、という考え方

最近、Xでよく見るのが、「乗っ取り対策として、証券口座や銀行口座を分けておく」という考え方です。

理由はこうです。

  • 1つの口座が乗っ取られても、被害をその口座だけで止められる
  • 全部を1か所に置いていると、乗っ取られたときに全部やられる

最初に見たときは、「なるほど、そういう考えもあるんやな」と思いました。

ペイオフの話とは別で、こちらは会社が潰れる話ではありません。自分の口座に、他人が入ってくる話です。3章の表のとおり、乗っ取りは預金保険でも投資者保護基金でも守られません。

証券会社が独自に補償することはあります。楽天証券は2025年に、フィッシング詐欺などによる不正アクセスの被害について、お客さんごとの状況に応じて一定の補償をする方針を出しています。ただ、全額が戻ると決まっているわけではありません。


6. 自分は、絞るほうを選んでいます

それでも自分は、口座を絞るほうを選んでいます。

理由は単純で、証券会社がサイバー攻撃を受ける可能性を考えると、預け先が2社あるより、1社に絞ったほうが、攻撃対象になる会社を減らせると思うからです。

2社に預けていれば、どちらかの会社が攻撃される可能性がある。1社に絞れば、攻撃対象になる会社も1社で済む。そういう考え方です。

ほかにも、口座が増えると守るところが増えます。

  • IDとパスワードが増える
  • 登録しているメールや電話番号を、全部最新にしておく必要がある
  • 取引やログインのお知らせが、あちこちから届く
  • ふだん使わない口座ほど、ログインしなくなって、異変に気づくのが遅れる

証券口座を3つ持っていたころは、毎月の集計のたびに3社にログインしていました。今は、ほぼ楽天証券を見るだけです。見るところが少ないほうが、変なことが起きたときに気づけます。

答えは出ない

ただ、ここは考えどころです。

  • 絞る:狙われる入口を減らす。そのかわり、1か所やられたときの被害は大きい
  • 分ける:1か所やられても被害は一部で済む。そのかわり、狙われる入口は増える

機会を減らすか、被害を分けるか。どちらが正しいかは、答えが出ないと思っています。

自分は、守るところを少なくして、そこをしっかり見るほうが性に合っている、というだけです。


7. 絞った分、入口を固めておく

絞るなら、その入口は固めておく必要があります。自分がやっているのは、このあたりです。

出金先は、自分名義の口座だけ

楽天証券は、乗っ取られても、お金を出せるのは登録してある本人名義の銀行口座だけです。これは前から知っていました。

その出金先の楽天銀行は、パスワードを変えて、ログインの制限も強めました。楽天銀行と楽天証券は、前よりだいぶ守りを固められたと思っています。それでも、フィッシングでだまされたら意味がありません。そのときの話は、こちらに書いています。

気をつけているのは、フィッシング

残る心配は、フィッシングです。本物そっくりの偽サイトに、自分でIDとパスワードを入れてしまうパターンです。

楽天を名乗るメールやSMSは、自分のところにはあまり来ません。それでも、メールのリンクからはログインしないようにしています。

自分の場合、楽天証券や楽天銀行は、Chromeのタブに開いたまま残してあります。ログインは、いつもそのタブからです。

あと、パスワード管理の1Passwordは、登録してある本物のサイトでしか自動で入力してくれません。偽サイトに入ってしまっても、「入力されない、おかしい」と気づけます。

1Passwordを入れた話は、こちらです。


まとめ

  • 銀行預金は、1つの銀行ごとに1,000万円と利息までが守られる
  • 証券口座は、分別管理で基本的に全額が返ってくる。だめだったときは、投資者保護基金が1,000万円まで補償する
  • 値下がりと乗っ取りは、預金保険や投資者保護基金では守られない
  • 自分は、資産をほぼ楽天証券、現金を楽天銀行に置いている
  • 口座を分ける考え方もあるが、自分は絞るほう。増やすと、守るところも増えるから

会社が潰れることより、自分の口座に他人が入ってくることのほうを心配しています。

なので、口座を増やすより、今ある入口を固めるほうに手間をかけています。


出典

制度の内容は2026年10月時点のものです。

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