新NISAの1,800万円は何年で埋まる?会社員の実績は14年でした

インデックス投資

新NISAの生涯投資枠は1,800万円です。

この数字を見て、埋まる気がしないと思った人は多いはずです。自分もそうでした。

では、実際に何年かかるのか。

調べてみたのですが、出てくるのは「1,800万円を入れたら30年後にいくらになるか」ばかりでした。入れたあとの話です。入れるまでの話が、どこにも見当たりません。

自分は2008年1月から、毎月の入金額をエクセルに記録しています。225ヶ月ぶんあります。

そこから計算しました。

累計の元本が1,800万円に届いたのは、2022年1月。169ヶ月目でした。期間にすると14年です。

20代後半で始めて、届いたのは40代前半でした。

そして計算していて、いちばん引っかかったのはここです。

169ヶ月を平均すると、月10.8万円になります。ところが中央値は月4.5万円でした。

つみたていぬ

平均年収の会社員で14年、ながいよね

この記事の目次

  1. 結論:14年かかりました
  2. 検索しても、シミュレーションしか出てきません
  3. 225ヶ月の記録から、累計を出します
  4. 1,000万に約12年、1,800万に14年
  5. 平均は、月10.8万円でした
  6. でも、中央値は月4.5万円です
  7. 169ヶ月の半分は、月5万円未満でした
  8. なぜ、一定額にならないのか
  9. 「月5万円で30年」と、何が違うのか
  10. これから始める人に伝えたいこと
  11. よくある質問

1. 結論:14年かかりました

先に数字を出します。

記録をつけ始めた月2008年1月
累計元本が1,800万円に届いた月2022年1月
かかった月数169ヶ月目
期間にすると14年

始めたのは20代後半です。届いたのは40代前半でした。

感覚としては「若いうちに始めて、子育てが一段落するころにやっと届いた」くらいの距離感です。

ひとつ断っておくと、実際に投資を始めたのは2007年ごろです。ただ当時は少額で、記録もつけていませんでした。数えられるのは2008年1月からなので、この記事の14年は記録が残っている範囲の話になります。実際はもう少しかかっていたはずです。

ここで正確に書いておきます。1,800万円という枠そのものは、2024年から始まった新NISAの数字です。自分が積み上げてきた14年間は、旧NISAやつみたてNISA、特定口座を含んだ期間でした。

なので「1,800万円の枠を14年で埋めた」ではありません。いまの制度でいう1,800万円ぶんのお金を、投資に入れるまでに14年かかった、という話です。


2. 検索しても、シミュレーションしか出てきません

この記事を書く前に、「新NISA 1800万円 埋める 何年」で検索してみました。

上位に並んでいたものを、そのまま書き出します。

順位中身
1位1,800万円は5・10・20・30年後にいくらになるか
2位1,800万円は埋めるべきか、年齢別シミュレーション
3位1,800万円をほったらかし運用するとどうなるか
4位1,800万円を5年で使い切る方法(月30万円積立)
5位5年で使い切るべきか
7位1,800万円投資した場合のシミュレーション
8位1,800万円をほったらかすといくらになるか

9本中8本が、1,800万円を入れたあとの未来を想定した話でした。

検索結果の下に出てくる「他の人はこちらも質問」も同じです。「ほったらかしにしたらどうなる?」「10年後いくらになる?」「5年後いくらになる?」

全部が1,800万円の未来の想定で、実際に1,800万円を積み立てた人の話はありませんでした。

4位に「月30万円積立で5年」という記事がありました。月30万円を5年入れられる人が、この検索をしているとは思えないのですが。

ないなら書こう、と思ったのがこの記事です。


3. 225ヶ月の記録から、累計を出します

記録をつけ始めた2008年1月から、毎月いくら入れたかをエクセルにつけています。2026年9月まで、225ヶ月ぶんです。

この記事には数字が2つ出てきます。先に整理しておきます。

225ヶ月記録がある期間(2008年1月〜2026年9月)
169ヶ月そのうち、1,800万円に届くまで(2008年1月〜2022年1月)
  • 記録しているのは入金額です。評価額ではありません
  • 自分(と嫁)の投資ぶんだけです。子供3人ぶんの720万円は入っていません子供のNISA、わが家は720万円を3人に投資した話は別勘定です)
  • 累計は、2026年9月時点で2,910万円です

年ごとの入金額そのものは、毎月いくら積み立てるべきかで全部出しました。

今回は、そこから一歩進めます。その入金が積み上がって、累計がいつ、いくらに届いたかを見ていきます。


4. 1,000万に約12年、1,800万に14年

累計元本が節目に届いた時期です。

累計元本到達した月開始から
500万円2010年6月30ヶ月目
1,000万円2019年12月144ヶ月目
1,800万円2022年1月169ヶ月目
2,500万円2024年11月203ヶ月目

2008年1月を1ヶ月目として数えています。

ここです。

最初の1,000万円に約12年、次の800万円に2年1ヶ月でした。

同じ800万円ぶんを積むのに、片方は12年かかっていて、片方は2年で終わっています。

グラフにすると形がはっきりします。

累計元本の推移

傾きが変わるのが2019年から2020年にかけてで、そこから一気に立ち上がる。1,000万円の線と1,800万円の線の間隔が、異様に狭いのが見てもらえると思います。

ちなみに500万円までは2年5ヶ月で着いています。始めた年に気合いが入りすぎて、無理のある金額を入れていたからです。翌年から続かなくなりました。

その後の10年が、長い。


5. 平均は、月10.8万円でした

169ヶ月で1,800万円なので、割り算するとこうなります。

1,800万円 ÷ 169ヶ月月108,284円

月10.8万円です。

これだけ見ると、よくあるシミュレーションと変わりません。「月10万円なら15年で1,800万円」という記事があります。実績の14年と、ほぼ一致しています。

数字だけ見れば、シミュレーションは当たっていたことになります。

ところが、中身がまったく違いました。


6. でも、中央値は月4.5万円です

169ヶ月ぶんの入金額を、小さい順に並べて真ん中を取りました。

平均月108,284円
中央値月45,000円

2倍以上の差があります。

さらに調べました。平均である月10.8万円以上を入れた月が、169ヶ月のうち何ヶ月あったか。

38ヶ月でした。22%です。

平均は月10.8万円ですが、その金額を入れられた月は、全体の2割しかありません。

残りの8割は、平均を下回っています。

なぜこうなるかというと、後半のごく一部の月が、平均を引っ張り上げているからです。2021年11月から2022年3月まで、5ヶ月連続で月90万円入れた時期がありました。この5ヶ月だけで450万円です。

169ヶ月の平均というのは、こういう月も含めてならした数字でした。

平均は、一度も体験していない金額です。


7. 169ヶ月の半分は、月5万円未満でした

分布を出します。169ヶ月が、どの金額帯に何ヶ月あったか。

月の入金額月数割合
3万円未満0ヶ月0%
3万〜5万円85ヶ月50%
5万〜10万円39ヶ月23%
10万〜20万円21ヶ月12%
20万〜50万円20ヶ月12%
50万円以上4ヶ月2%

月ごとの入金額の分布

いちばん多い帯が、月3万〜5万円です。しかも半分を占めています。

169ヶ月のうち85ヶ月、7年1ヶ月ぶんが「月5万円未満」でした。

50万円以上を入れた月は、4ヶ月しかありません。全体の2%です。

つまり14年間のうち、体感の大半は「月3万円台をコツコツ入れていた期間」でした。1,800万円という数字からイメージするような、毎月まとまった額を入れ続ける生活ではありません。


8. なぜ、一定額にならないのか

シミュレーションは、毎月同じ額を入れる前提で作られています。

現実はそうなりませんでした。

2011年から2014年までの4年間は、月3万円で固定でした。子供が生まれて、生活防衛資金を貯めなければならない時期です。投資に回せる額が、それ以上ありませんでした。

そこから少しずつ上がって、2019年に動き出します。2020年から2022年にかけて、金額が跳ね上がりました。

理由は3つあります。生活防衛資金が貯まったこと、共働きになったこと、そしてコロナのときに方針どおり動けたこと。

この話は毎月いくら積み立てるべきかにくわしく書いたので、ここでは繰り返しません。ひとつだけ書いておくと、気合いで増やしたわけではありません。守りが固まって、収入の土台が変わって、方針を先に書いてあった。条件が揃ったところに、たまたま相場が動いただけです。

大事なのは、この形が例外ではないということです。

多くの人にとって、入金力は一定になりません。若いうちは少なく、あとから増える。ライフステージで上下する。シミュレーションが前提にしている「毎月同じ額」のほうが、現実には珍しいのだと思います。


9. 「月5万円で30年」と、何が違うのか

よくある想定と、実績を並べます。

前提1,800万円に届くまで
月5万円を一定で30年
月10万円を一定で15年
実績14年(平均10.8万円/中央値4.5万円)

年数だけ見れば、月10万円のシミュレーションとほぼ同じです。

でも、たどった道が違います。

シミュレーション実績
毎月の入金ずっと月10万円月3万円から始まって、最後は月90万円
前半7年月10万円月5万円未満が85ヶ月
中央値月10万円月4.5万円

シミュレーションどおりに月10万円を入れ続けられる人なら、15年で着きます。ただ、20代後半でそれができる人は、そんなに多くないはずです。自分は無理でした。

同じ14年でも、最初から月10万円を入れる14年と、月3万円から始める14年は、別物です。

前者は最初がいちばんきつい。後者は前半が長く感じる代わりに、始めるハードルが低い。

自分は後者しか選べませんでした。そして、それでも着きました。

月額別に、何年かかるか

月額1,800万円まで3,600万円まで
月3万円50年100年
月5万円30年60年
月10万円15年30年
月15万円10年20年
月30万円5年10年

ちなみに1,800万円は1人ぶんの枠です。夫婦なら3,600万円になるので、単純計算だと、とんでもない数字になります。


10. これから始める人に伝えたいこと

数字を並べてきたので、最後に言いたいことを書きます。

1,800万円は、埋まらなくても問題ありません。

自分は14年かかりましたが、その14年のあいだ、枠が埋まっていないことで困ったことは一度もありません。枠は上限であって、目標ではないからです。

そのうえで、これから始める人に伝えたいことが2つあります。

前半は、長く感じます

月3万円の時期は4年間続きました。増えている実感はほとんどありません。

でも毎月いくら積み立てるべきかで計算したとおり、その4年間に入れた144万円が、いま974万円になっています。過去最高額を入れた2021年の460万円より、増えた金額は大きい。

理由は時間だけです。前半の少額は、無駄ではありませんでした。

あとから増やせます

2018年の年間入金額は57万円でした。3年後の2021年は460万円です。

このとき自分がやったのは、生活防衛資金を貯めて、方針書を書いて、積立の設定をしただけです。特別なことは何もしていません。

金額はあとから増やせますが、時間だけは買えません。

だから、いま出せる額で始めるのがいいと思っています。月3万円でも構いません。

自分もそうでしたが、ちょっとしたきっかけからめちゃくちゃ続いてます。

長いですが、やる価値は必ずあると思います。

口座の開き方は楽天証券の口座開設手順に書きました。


11. よくある質問

実際に検索されている質問から、自分の記録で答えられるものを選びました。

Q. NISAの枠は、早く埋めたほうがいいですか?

A. 早く入れたお金ほど長く働くので、埋められるなら早いほうが有利です。ただ、自分は前半10年が月3万〜5万円で、埋めようがありませんでした。生活を削ってまで急ぐものではないと思っています。

Q. 新NISAの1,800万円は、最短何年で埋められますか?

A. 5年です。年間の投資枠が360万円なので、月30万円を5年続ければ埋まります。ただ、それができるかどうかと、やるべきかどうかは別の話だと思っています。自分は169ヶ月かかりました。

Q. NISAで月10万円はきついですか?

A. きついと思います。169ヶ月のうち、月10万円以上を入れられたのは45ヶ月(27%)でした。しかも始めた2008年は気合いで入れて、翌年から続かなくなっています。続けて入れられるようになったのは2019年の後半、139ヶ月目でした。

Q. 1,800万円を月3万円で積み立てたら、何年かかりますか?

A. 単純計算で50年です。自分も4年間は月3万円でした。だから1,800万円を「必ず埋める目標」と考える必要はないと思っています。その4年間に入れた144万円は、いま974万円になっています。

Q. NISAの1ヶ月の平均積立額はいくらですか?

A. 世間の平均は分かりませんが、自分の169ヶ月は平均で月10.8万円、中央値は月4.5万円でした。平均は一部の大きい月に引っ張られるので、中央値のほうが実感に近いです。

Q. 積立額は、途中で変えてもいいですか?

A. 変わるのが普通だと思います。自分は月3万円から始めて、いまの積立は月15万円です。なお90万円を入れた月もありますが、あれは積立ではなく、貯めてあった資金をまとめて入れたものです。

Q. iDeCoと新NISA、どちらを優先すべきですか?

A. 今から始めるなら新NISAが先だと思っています。自分は企業型DCが約2,000万円まで育っているので、確定拠出年金を推せる側の人間です。それでも新NISAが先です。60歳まで引き出せないのが大きい。理由はiDeCo vs 新NISA、どちらを優先すべきかに書きました。

Q. NISAは満額でやるべきですか?

A. 満額でなくて大丈夫です。14年のあいだ、枠が埋まっていないことで困ったことは一度もありませんでした。枠は上限であって、目標ではありません。

Q. 新NISAを満額使ったあとは、どうすればいいですか?

A. 自分もまだ埋まっていないので、ここから先は想定です。

たぶん、まずライフプランシートを見直します。そのうえで特定口座で積立を続けながら、嫁のNISA枠を埋めるか、こどもNISAに回すかを考えることになると思います。

自分の枠が埋まったら終わり、ではありません。世帯全体で資産が増える形を探すことになりそうです。

Q. 1,800万円をほったらかしにしたら、どうなりますか?

A. この記事は「入れるまで」の話なので、そこは書いていません。入れたあとどうなったかは投資2,850万円が1億円にに書きました。


シミュレーションは嘘ではありません。ただ、一定額を前提にしています。

現実は一定になりませんでした。前半は月3万円で耐えて、後半に跳ねる。そういう形でした。

1,800万円という数字を見て、無理だと思った人へ。

つみたていぬ

無理ではありません。ただ、思っているより時間はかかります。


投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品を推奨するものではありません。記載の数字は自分の入金記録に基づく実績で、将来の運用成果を保証するものではありません。

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