人生でいちばん費用対効果が高かった買い物は、Excelでした。20年分の家計簿と投資の記録が、全部ここにあります
家計管理人生で、費用対効果が高かった買い物は何か。考えてみると、けっこう出てきます。
- 歯の治療
- 車(意外と)
- MacBook
- ひげ脱毛(時間の効果ではダントツ)
- ウルトラワイドモニター
- 椅子
ただ、どれもリターンがお金で返ってくるわけではありません。時間がういた、気持ちが楽になった。そういうリターンです。測れないけれど、かなり大きい。
その中で、いちばん費用対効果が高かったのはExcelです。
時間や満足度を超えて、実質のリターンがいちばん大きかったのは、Excelでした。
理由は単純で、20年分の投資の計画と記録が、全部Excelに入っているからです。
Excelは、人生でいちばん費用対効果の高い買い物でした
1. 始まりと、かかったお金
始まりは、使いにくくなった家計簿アプリ
Excelを使い始めたのは、20年くらい前です。
はじめは、パソコンに付いていた家計簿アプリで家計簿をつけていました。でも、だんだん使いにくくなってきました。ほな自分で作るか、と思い立って、簡単なものをExcelで作ったのが始まりです。そこからずっと、Excelを使っています。
かかったお金は、ほとんどない
その間にパソコンは何度か買い替えましたが、Excelは最初から入っていることが多かったので、単体でお金を払った記憶はほとんどありません。
はっきり買ったと言えるのは、2025年にMacBookを買ったときです。2万円くらいでした。
Macにも、Numbersという表計算アプリが最初から入っているのは知っていました。でも、これまでずっとWindows派だったので、ファイルの互換性と使い慣れた感覚を考えて、ちょっとだけ悩んでExcelを買いました。
2. Excelで管理しているもの
仕事を除いて、Excelの資産管理ファイルは、大きく3つです。
| ファイル | 中身 |
|---|---|
| 家計簿 | 毎月の収入と支出。費目は少なく、カードごとに記録しています |
| 投資関連 | 毎年の投資方針書と、毎月の資産の記録 |
| ライフプランシート | これから先の大きな支出と収入の見通し |
投資関連のファイルには、18年分の方針書と、2008年からの月次の記録が入っています。毎月1回、資産の額と投資した額、ドル円のレートを書いてきました。
それぞれの中身は、こちらに書いています。
- 家計簿:家計簿で投資は何費?
- 投資方針書:暴落でも迷わない。たった一枚の「投資方針書」
- ライフプランシート:FIREは資産だけじゃ計算できない。最初に集めた4つの道具
3. 使っているのは、簡単な数式だけ
20年使っていますが、難しいことは何もしていません。
足し算と引き算、合計、前の月との差。そのくらいの簡単な数式で作っているだけです。マクロも使っていません。なので、Excelに詳しくなくても、同じような家計簿や資産の記録は作れます。
Excelには、投資やお金に関係する関数もたくさんあります。
- PMT:ローンを元利均等返済で返すときの、毎月の返済額
- FV:毎月積み立てたときの、将来の金額
- RATE:何%で回せば目標の金額に届くか
- IRR・XIRR:入れたお金と増えたお金から、利回りを出す
調べると、こんなのあるんや、と思います。でも、やっぱり全然使いこなしていません。家計簿ですからね。
毎月の手間も、たいしたことはありません。家計簿は、カードの明細を見て数字を入れるだけで、月に15分くらいです。資産の記録は、月に1回、資産の額を書き込むだけです。
ちなみに、20年前は、簡単な数式が使えるだけでも会社で重宝されました。家計簿で覚えたExcelが、そのまま仕事でも役に立ったわけです。そういう意味でも、コスパが良かったと思います。
4. リターンは、計画と記録が全部ここにあること
ここが、いちばん大きいリターンです。
計画を書いて、記録して、振り返る場所が、20年同じ
毎年の方針書をExcelに書いて、毎月の記録をExcelにつけて、年末にそれを見返して、次の方針書を書く。20年間、ずっとこれで回してきました。
インデックス投資に必要な道具の記事では、記録が投資成績に与える影響は「ほぼゼロ」と書きました。それは今も同じ考えです。記録をつけても、オルカンの利回りは1%も上がりません。
でも、方針書を書いて、それに沿って続けてきたから、大きく変な方向には曲がらずに済みました。余計なことをまったくしなかったわけではありません。それでも、その時々で自分が思う最善手は打てたと思っています。暴落のときも、書いてある方針に戻れました。記録をつけても、オルカンの利回りは上がりません。でも、途中で売ったり、やめたりせずに続けられました。その20年分の値上がりをまるごと受け取れたことが、Excelがくれたいちばんのリターンです。
20年分あるから、あとから数字が出せる
記録が残っていると、あとから見返して、いろいろな数字が出せます。
- 月次の記録218ヶ月分から、自分の積立でならしたドル円の平均は121円だった
→ ドル円の平均は121円 - 18年分の方針書に、当時の目標がそのまま残っていた。1,000万の次が3,000万、なぜか1億
→ 「1億あれば絶対に辞める」と思っていました - 約220ヶ月の記録から、いちばん資産が減った月が分かった
→ 投資の失敗が90万円で済んだ話 - 資産の推移を、対数グラフで描き直せた
→ 投資20年、対数グラフを分かっていませんでした
どれも、記録がなければ書けなかった記事です。
5. 20年前の記録を、いまも自分で開ける
Excelのよさを1つだけ挙げるなら、これです。
20年前の記録を、いまも自分で開けます。
家計簿アプリなら、サービスが終わったり、仕様が変わったりします。そのたびにデータを引っ越したり、書き出したりする必要が出てきます。最悪、昔の記録が見られなくなります。
Excelは、自分のパソコンに、自分のファイルとしてあります。自分でカスタマイズできて、勝手に仕様が変わることもありません。だから20年前の数字が、いまも同じように開けます。これからも、手元に残り続けると思います。
ただ、自分でデータを持っていることと、データがなくならないことは別です。パソコンが壊れたら終わりなので、年に1回くらい、USBメモリにも保存しています。
6. 今風じゃないのは、分かっています
Excelで家計簿、というと、今風ではないと思います。
いまは、スマホの家計簿アプリで銀行口座やカードと連携して、自動で管理するのが普通です。クラウドでデータ管理を、とか、Googleのスプレッドシートなら無料で同じことができますよ、とか。その通りです。
自分の場合は、家計簿をつけ始めたときに、まだスプレッドシートがなかった。それで、惰性でExcelを使い続けてきただけです。いまから始めるなら、スプレッドシートでもまったく問題ないと思います。自分も、いまから始めるなら、スマホで手軽に管理したくなるかもしれません。
大事なのは、ツールが何かではありません。自分のデータを、自分で持ち続けていること。それが結果として、自分の強みになっていました。
計画と記録を置く場所を、20年変えなかった。その結果、Excelがいちばん費用対効果の高い買い物になりました。
最後に、これから記録を始めてみようと思った方へ。
大事なのは、文字と数字を扱えて、簡単な数式を自分で組めることです。この条件を満たすものなら、ExcelでもGoogleスプレッドシートでもかまいません。家計簿アプリは、決まった形に数字を入れるものがほとんどで、自分で表の形を作れるものは意外と少ないです。スマホのアプリは手軽ですが、画面が小さくて見にくく、自分で加工もしにくいです。
いまから始めるなら、おすすめは無料のGoogleスプレッドシートです。簡単なものでかまいません。毎月の資産を記録してみる。ちょっとした投資方針を、ブレないように書いておく。まずはそこから、やってみるといいと思います。
投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品を推奨するものではありません。