インデックス投資はやめたほうがいい?20年やった人間の欠点リスト
インデックス投資「インデックス投資はやめたほうがいい?」
やめたほうがいい、とは思っていません。むしろ、やらないほうが資産が減ると思っています。
物価は前年同月比で1.9%上がっています。普通預金の金利は0.40%。現金で置いておくと、実質では毎年目減りしていきます。
※ 消費者物価指数は総務省統計局・2026年7月分(2026年8月21日公表)。普通預金金利は楽天銀行・2026年9月1日時点
ただし、余剰資金から始めるのが前提です。ここは絶対に外せません。
そのうえで、欠点はあります。20年やった結論から先に書きます。
まじでつまらない。これに尽きます。
20年やって、それが結論なんか。
この記事の目次
- 世間の「投資」と、実際のギャップ
- まず、欠点じゃないものを外します
- 残った欠点は、たった1つでした
- やることがない
- 積み立てても、見た目ほど増えない
- つまらなさは、あとから来ます
- ただ、時が経つのを待つだけ
- 入金力がいる。その正体は、支出管理でした
- 増えると楽しい。でも、使えなくなる
- 出口も、つまらない
- それでも、つまらないのが正解でした
- まとめ
1. 世間の「投資」と、実際のギャップ
投資と聞いて思い浮かぶのは、たぶんこういう絵だと思います。
チャートを見て、指標を確認して、いいところで利益確定をポチー。
「ふん、今日は2万の儲けか。まぁまぁだな」
こういったイメージを投資に私は持っていましたが。
実際は、こうです。
よし、投資やるぞ、と思う。
口座を開く。あっ、その際は楽天でぜひどうぞ(楽天証券の口座開設手順)。
いろいろ調べる。どうやらインデックス投資がいいらしいぞ、とたどりつく。
なるほどなるほど。S&P500かオルカンか、どっちにしようかなー、と迷う。
よし、オルカンにするで。
クレカ積立がお得と聞いたので、設定してみる。あとは自動で積み上がる。
1ヶ月後。
オルカンが買えている。なぜかマイナスになっている。
そして、思うわけです。
えっ、こんなんでいいの。ていうかちょっと減ってるし、やることねー。
つまんねー。
そういうもんです。
並べると、こうなります。
| 世間の「投資」 | インデックス積立 |
|---|---|
| チャートを見る | 見ない |
| 利益確定する | 売らない |
| 銘柄を分析する | しない |
| 増えた実感がある | 見た目ほど増えない |
| — | クレカで積み立てて、毎月カードの請求が来る |
投資というより、サブスクの支払いに近い。しかも引き落とされるだけで、こちらは何もしません。
そして、ふと思います。これ、いつ売るんや。
ちなみに、私はスマホに証券アプリを入れていません。見ても何も起きないからです。その話はインデックス投資初心者がやらなくていいことに書きました。
2. まず、欠点じゃないものを外します
よく欠点として挙がるものに、そもそも欠点じゃないものが混ざっています。先に2つ外します。
「本当にお金が必要なときに暴落しているかもしれない」
これは投資期間とエクスポージャーの問題で、インデックス投資固有の欠点ではありません。
暴落するのは個別株でもFXでも同じです。むしろインデックスは市場全体を持つぶん、集中投資より振れ幅が小さくなります。そして期間が長くなるほど、ブレは小さくなっていきます。
自分の数字で見てみます。いま元本2,895万円に対して資産は1億547万円です。
| 資産が | 金額 | 元本に対して |
|---|---|---|
| 半分になったら | 5,273万円 | +2,378万円 |
| 6割減ったら | 4,218万円 | +1,324万円 |
| 7割減ったら | 3,164万円 | +269万円 |
7割落ちても、まだプラスです。
でも実際に7割落ちたら、空を見上げて泣いてる気がしますが。
そもそも、必要な時期が決まっているお金は、投資に回さないほうがいいと思います。自分は、10年以上使う予定のないお金でやっています。
「必要なときに暴落していたら困る」という問いは、スタートとゴールが噛み合っていない。大事なのは、資産のうちどれだけを市場に晒すかを、ライフプランと合わせて調整することです。その考え方はエクスポージャーとリスク許容度は、別のものですに書きました。
ただ、精神的なダメージは別の話です。数字の上でプラスでも、5,000万円減った画面を平気で見られるかというと、それはまた違います。空を見上げて泣いてる可能性があります。実際に自分は最悪の月でマイナス40.5%まで落ちています(積立投資の元本割れは何年続く?)。
「それってギャンブルじゃないの?」
投資はギャンブルだ、という人がいます。家族に反対されて始められない、という話もよく見かけます。
これは投資と投機の話になります。
ギャンブルは、胴元が取り分を抜いたうえで参加者どうしがお金を分け合います。全員の取り分を足すと、必ず元より減ります。
株式は違います。企業が事業をして利益を出すので、全体としては増えていきます。増えたぶんを持ち分に応じて分ける、という形です。ここが根本的に違います。
とはいえ、インデックス投資にも投機的な部分はあります。将来も増え続けると信じて買っているわけで、そこはゼロではありません。短期で見れば、上がるか下がるかは運です。
ただ、この説明をして伝わるかというと、たぶん伝わりません。
自分も、うまく説明できる気がしません。
というより、結局のところ、資産をリスクに晒してリターンを得るという行為そのものが、ギャンブル的です。
それで間違っていないと思います。
インデックス投資であろうが、なかろうが、その性質は変わらないと思います。
ちなみにうちの嫁は、投資の理解があるわけでもなく、口座を見ることもありません。それでも、買っているものが同じなので、自分とリターンは同じです(年間11時間、記録を続けました)。
ゆっくりと複利を効かせていくやり方なので、初心者にもできるし、再現性はある。そこは確かだと思います。
3. 残った欠点は、たった1つでした
外していくと、最後に1つだけ残りました。
つまらない、です。
ただ、ひとことで「つまらない」と言っても、いくつも顔があります。並べるとこうなりました。
| どうつまらないか | |
|---|---|
| 作業 | やることがない |
| 値動き | 爆益みたいな派手さがない |
| 見る | 見ても何も起きていない |
| 分析 | 銘柄分析が要らない |
| 入金 | 支出管理。地味 |
| 時間 | ただ、時が経つのを待つだけ |
ここから、ひとつずつ書きます。
4. やることがない
1年で何をしているのか、時間を測ったことがあります。
年間11時間でした。1日にならすと1.8分です(年間11時間、記録を続けました)。
しかもその11時間の中身は、積立の設定でも銘柄選びでもなく、記録と計画がほとんどです。
銘柄分析は要りません。オルカン1本なら、調べる対象そのものがない。決算も業績もチャートも、見る必要がありません。
やることがないというのは、裏を返せば、うまくやる余地もないということです。
前に道具を揃える記事を書いたとき、自分でこう書いていました。
インデックス投資は、暇です。
道具を揃えたところで成績は1円も変わりません。それでも揃えたくなるくらい、やることがない。
5. 積み立てても、見た目ほど増えない
資産額は増えていくのに、損益率が思ったより伸びない。積立をしていると、必ずこうなります。
数字で出します。同じ240万円を、同じ市場(年5%)で20年運用した場合です。
| 20年後の資産 | 損益率 | |
|---|---|---|
| 最初に240万円を一括 | 637万円 | +165% |
| 毎月1万円ずつ積立 | 411万円 | +71% |
※ 年5%で計算した試算です。実際の相場は上下します
同じ相場、同じ元本なのに、損益率は2.3倍ちがいます。
理由は、お金が市場にいた平均年数です。
| 市場にいた平均年数 | |
|---|---|
| 一括 | 20年 |
| 積立 | 10年 |
一括なら240万円が20年ずっと市場にいます。積立だと、最初の1万円は20年ですが、最後の1万円は0年です。ならすと半分になる。
もうひとつあります。上がっている相場で毎月買い足すので、平均取得単価が上がり続けます。
悪いことではありません。積立とはそういうものです。ただ、含み益が乗っているところに毎月お金を足していくので、パーセンテージは伸びにくい。
一括と積立の違いは一括投資と積立投資のハイブリッドに書きました。
6. つまらなさは、あとから来ます
ここまで「つまらない」と書いてきましたが、正確ではありません。
最初からずっとつまらないわけではないんです。
1ヶ月目は、たしかにつまらない。でもそのあと、しばらく楽しくなります。
もっといい方法があるんじゃないか、と思い始めるからです。
S&P500のほうがいいんじゃないか。新興国も入れたほうがいいんじゃないか。債券は要らないのか。レバレッジってどうなんやろ。高配当のほうが実感あるんちゃうか。
調べます。比べます。目移りします。この時期は、まぁまぁ楽しいぐらい。
そこで、だいたい余計なことをします。
自分の場合、気づいたら15銘柄・9資産クラスに散らかっていました。ロシア単体、アラブ単体まで持っていました(投資初期のポートフォリオを晒す)。整理し終わるまでに10年以上かかっています。
確定した損は90万円でした(投資の失敗が90万円で済んだ会社員が、インデックス投資を20年続けている話)。
ただ、本当のコストはそこではありませんでした。
投入した現金は同じでも、寄り道をしたぶんだけリターンは下がります。 自分の20年をIRRで測ったら、実際の成績は年13.99%。同じ日に同じ額を全世界株に入れていたら年14.81%でした。
差は年0.82ポイント。金額にすると956万円です。
※ 218ヶ月の入出金記録から計算したものです。計算の中身と前提は、別の記事にまとめます
やっている時は楽しかったんです。それが956万円でした。
そして調べ尽くすと、やることがなくなります。そこから本当の退屈が始まります。
7. ただ、時が経つのを待つだけ
やることがなくて、見た目も増えない。じゃあ何をしているかというと、待っています。
それだけです。
自分の場合、最初の54ヶ月はずっと元本割れでした。4年半です。いちばん悪かった月でマイナス40.5%(積立投資の元本割れは何年続く?)。
その記事に、年ごとの心の声を書きました。14年目から17年目のところは、こうなっています。
相変わらず退屈。でも続ける
退屈が、14年続いた記録です。
長期投資の「長期」がどれくらいかというと、子どもが生まれてから成人するまでと同じ長さです(長期投資の「長期」は、子どもが生まれてから成人するまでの長さでした)。
その間、やることはありません。待つだけです。
8. 入金力がいる。その正体は、支出管理でした
ここがいちばん書きたいところなんですが。
インデックス投資で結果を決めるのは、売買のタイミングではありません。銘柄選びは少しだけ悩みますが、低コストで分散されていたらOKです。私の家族は全てオルカンです。
いちばん大きいのは、いくら入れられるかです。
自分の記録を出します。累計の元本が1,800万円に届くまでにかかったのは169ヶ月、14年でした。
| 平均 | 月10.8万円 |
| 中央値 | 月4.5万円 |
| 169ヶ月のうち月5万円未満だった月 | 半分 |
平均で見ると月10.8万円ですが、中央値は月4.5万円です。半分の月は5万円も入れられていません。
減らした時期もあります。2009年から2012年、月6万円だった投資額を月3万円まで半分にしました。理由は暴落ではありません。お金がなかったからです。手取り350万円、嫁は専業、子どもが生まれたばかりでした(投資額を半分に減らした年があります)。
で、その入金力は何で決まるかというと、結局は支出管理です。
収入が急に増えることはありません。増やせるのは、使わなかったぶんだけです。
つまり、こういうことになります。
投資の作業は年間11時間で終わる。でも支出管理は、毎月ずっと続く。
しかも投資のほうは、やらないことを増やすほど時間が減っていきました。アプリを入れず、相場を見るのをやめて、銘柄を減らして。20年かけて、やることは減っています。
支出管理は減りません。
つまらないのは、投資ではなかったのかもしれません。その裏でずっと続けている家計のほうが、本体だった気がしています。
振り返ると、順番が逆でした
20年やってきて思うのは、自分は投資を頑張ったわけではない、ということです。
しっかりやってきたのは支出管理のほうでした。お金を「今月使うお金・現金プール・増やすお金」の3つに分けて、溢れた分が投資に流れる形にしています。20年ほとんど変えていません(普通の会社員が1億になるまで、銀行口座はこの形でした)。
投資を続けたのではなく、支出管理の仕組みを作った結果として、投資が続いた。 そういう順番だったと思います。
そしてこの仕組みは、作るのも回すのも、そんなに面白くありません。
9. 増えると楽しい。でも、使えなくなる
ここまで欠点ばかり書いてきましたが、楽しい時期もあります。
資産が増えていくのを見るのは、誰だって楽しい。お金が増えているんですから、当たり前です。
ただ、増えるにつれて、おかしなものが一緒に付いてきました。
使えない、という呪縛です。
なんやそれ、と自分でも思います。増やすために積み立ててきたのに、増えたら増えたで使えない。
出口をいつにするか決められずにいるのですが、その理由を3つ書いたとき、1つ目がこれでした。
使えない。もう1年働ける。辞めても暇。この3つが重なっている
積立を10年続けたころ、資産は増えているのに生活がみみっちくなっていました。貯金1,200万・投資1,400万で、乗っていたのはボロボロの中古の軽です(インデックス投資家がハマる罠)。
いまは資産が1億を超えましたが、分配金の18万円を使いきれずに残しています(18万円、使い道が思いつきません)。
増やす訓練を20年やると、使う訓練をしていないことに気づきます。
10. 出口も、つまらない
出口についても書いておきます。
いつ資産を使い始めるか、いつ仕事を辞めるか。決められずにいます。理由を3つ書いたことがあるのですが、そのうちの1つがこれでした。
なんか暇になりそう
使えない。もう1年働ける。辞めても暇。この3つが重なって、決まらないままです。
入口も出口も、同じ理由でつまっている。20年やって気づいたのは、そこでした。
11. それでも、つまらないのが正解でした
ここまで欠点を並べてきましたが、結論は変わりません。
わが家でいちばん理想的なインデックス投資家は、口座も見ていない嫁だと思っています。年間11時間かけた自分と、何もしていない嫁で、リターンは同じです。詳しくは年間11時間、記録を続けましたに書きました。
うまくやる余地がないというのは、下手にやる余地もないということです。
前に成長投資枠の記事を書いたとき、最後にこう書いていました。
つまらない結論だと思います。でも20年やって、つまらないほうが強かった
いまも同じです。
12. まとめ
インデックス投資はやめたほうがいいのか。私の結論は、やったほうがいい、です。
物価は前年比で1.9%上がっています。普通預金は0.40%。現金で置いておくほうが、実質では減っていきます。やらないことのほうがリスクになりました。
ただし、余剰資金から。自分は、10年以上使う予定のないお金でやっています。ここを守れないなら、たしかにやめたほうがいいと思います。
そのうえで、欠点はあります。
20年やってきたインデックス投資の欠点は、あらゆる面でつまらない、ということに尽きました。
作業がつまらない。年間11時間、1日にならすと1.8分です。値動きもつまらない。積み立てると、同じ相場でも損益率は一括の半分以下にしかなりません。待つのもつまらない。自分の記録には、退屈が14年続いたと書いてあります。
入金力の正体は支出管理でした。投資の作業は減らせても、こちらは減りません。地味です。
増えれば楽しいかというと、そこも違いました。使えないという呪縛が付いてきて、出口も決まらないままです。
つまらなさに耐えられず、面白くしようとして寄り道した代金が、956万円でした。
最後にもうひとつだけ。
自分が20年やってきた限りでは、長期で見ると、致命的な欠点は感じませんでした。
ただ、長期で見るということ自体が、つまらなすぎる。
それが唯一の欠点です。
投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品を推奨するものではありません。